NTTドコモは大阪で開催された2016夏モデル 新サービス・新商品発表会で、7つの新商品や国内初となる次世代通話用コーデックを採用した超広域対応の通話サービスのVoLTE[HD+]を5月19日から開始することなどをアナウンスした。ここでは関西エリアに向けたトピックとして発表された内容を紹介する。
▼大阪ではNTTドコモの永田清人関西支社長が発表を行った。
NTTドコモは昨年から教育や行政、業界と連携したさまざまなモバイル技術の活用プロジェクトを行っている。大阪市教育委員会の協力で市内のICT活用モデル7校にLTEネットワークを活用した授業用タブレットを試験導入したり、米原市とフィットネス事業を展開するルネサンスと協業で子どもたちにドコッチを使った健康増進プログラムを実施したり、神戸市とは事業連携協定の締結によるさまざまなプロジェクトを行い、BLEタグを使った地域の見守り実証実験などの実施を計画中だ。(関連記事:神戸市とドコモが連携、子どもや高齢者の見守りなどICTとデータ活用で社会課題解決へ)
企業との連携では、富士通テンが開発する車載器でトラックやドライバーの状態をリアルタイムでモニタリングする安全運転を支援する技術の実用化を進めている。
▼行政や企業との連携でさまざまな実証実験を行っている。
▼富士通テンとの連携ではトラックの状態をリアルタイムで監視するシステムを実用化している。
ネットワークの強化では都市部に力を入れており、5月19日からはじまる国内最速の375Mbpsが使える「PREMIUM 4G」をUSJや甲子園球場といった主要観光施設から、370Mbps対応についてはJR環状線各駅から順次エリアを拡げていく。
▼関西エリアでは都心部を中心に国内最速のLTEネットワークの強化を進める。
合わせて環境対策として、屋外に設置されている基地局設備を外気を使って冷却するシステムを開発。消費電力を15.2%削減することに成功し、同様の施設を年度内に415局まで拡大することを計画している。
▼高温多湿になる屋外基地局を外気で冷却するシステムの導入でCo2排出量削減に力を入れる。
熊本地震により災害時におけるインフラの維持をどうするかが注目を集めているが、関西支社では東日本大震災をふまえた新たな災害対策を去年から行っており、南海トラフ大地震を想定した対策はすでに昨年3月に完了している。
合わせて、和歌山、兵庫、大阪エリア沿岸部にある既存基地局へ対策を施した「中ゾーン基地局」を構築し、被災エリアの通信確保に力を入れており、大型台風などによる水害対策として基地局装置のかさ上げを行うなどの対策を実施。
激甚化する河川氾濫の備えとして、人命救助に関わる防災機関や関連する2037の施設に対し、非常時でも通信が確保できるよう、予備電源の容量を増やしたり、伝送路の二重化を行うなどしており、来年3月に完了する予定だ。
また、全国で進めている基地局を活用した新たな災害対策として地震予測や津波監視については、和歌山県南部へ2016年度の導入を予定しており、今後も必要に応じて対象エリアを検討していくとしている。
▼激甚化する災害対策として基地局の強化や災害監視システムの導入も進められている。
※修正履歴
5/12 11:00 南海トラフ大地震を想定した対策について「来年3月に完了する予定」としておりましたが、正しくはすでに昨年3月に完了しておりました。お詫びして訂正いたします。(本文は修正済み)
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登録はこちらフリーランスライター。大阪のマーケティング会社勤務を経て独立。主にデジタル業界を中心に国内外イベント取材やインタビュー記事の執筆を行うほか、本の企画編集や執筆、マーケティング業務なども手掛ける。掲載媒体に「月刊journalism」「DIME」「CNET Japan」「WIRED Japan」ほか。著書に『ロンドンオリンピックでソーシャルメディアはどう使われたのか』などがある。