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ドコモとCerevo、ポータブルSIMを実用化するデバイス「SIM CHANGER ⊿」を2017年3月発売へ

2016.08.02

Updated by Naohisa Iwamoto on August 2, 2016, 18:43 pm JST

NTTドコモとCerevo(セレボ)は2016年8月2日、NTTドコモが開発した「ポータブルSIM」技術を含む「PSIM Suite」のライセンス契約を結び、複数のSIMを自由に切り替えて通信できるようにするためのデバイス「SIM CHANGER ⊿」を開発したと発表した。同日、Cerevoは「SIM CHANGER ⊿」の生産販売のためのクラウドファンディングを開始し、2017年3月に発売する予定だ。

▼デバイスイメージ
20160802-psim-cerevo

ポータブルSIMは、ドコモが2014年6月に世界に先駆けて開発した、端末側でSIMカードを抜き挿しせずに電話番号の切り替えを可能にする技術。今回、Cerevoとライセンス契約を結んだPSIM Suiteは、ポータブルSIMの技術に加えて、端末側にはハードウエア的な変更を加えずにポータブルSIMとの接続を可能にする技術を含む。具体的には、Bluetoothチップを搭載したSIMサイズのデバイス「psim proxy」技術を採用したブリッジカードを用意し、端末のSIMカードスロットに装着したブリッジカードとポータブルSIMがBluetoothで通信することでSIMの情報を端末側で受信できるようにする。

▼「ポータブルSIM」デバイスと「psim proxy」接続イメージ
20160802-psim-cerevo2

Cerevoが開発したSIM CHANGER ⊿は、SIMカードを最大で4枚まで装着できるポータブルSIMデバイス。psim proxyと端末側で稼働する専用アプリと組み合わせて利用する。専用アプリで、SIM CHANGER ⊿に装着した複数のSIMから、利用したいSIMを選ぶことで、SIM(電話番号)の切り替えが手軽にできる。

SIM CHANGER ⊿を利用することで、各国の事業者ごとのSIMカードを装着して海外渡航時に手軽に切り替えたり、通話用とデータ通信用のSIMカードを装着して利用方法に応じて切り替えたりといった、これまでにない使い勝手が実現できる。この製品は市場性の確認を目的としたもので、「Makuake」でクラウドファンディングを開始。販売価格は税込み1万800円を予定しており、200台限定で2017年3月に提供する。

【報道発表資料】
ポータブルSIM技術を活用した「SIM CHANGER ⊿」を開発

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。