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グーグル(Google)共同創業者で持株会社アルファベット(Alphabet)のCEOを務めるラリー・ページ(Larry Page)氏らが、傘下のISP事業アクセス(Access、旧「Google Fiber」の経営陣に対して、人員半減などを含む大幅なコスト削減を求めたとする話が、米国時間25日にThe Informationで報じられている。

The Informationによれば、ページ氏と共同創業者のサーゲイ・ブリン(Sergey Brin)は先月、アクセスの責任者であるクレイグ・バラット(Craig Barratt)氏に対して、現在1000人ほどいる人員を500名程度まで削減することや、各家庭に光回線を引くコストを現在の10分の1に圧縮することを命じていたという。この背景には、Google Fiber事業の目標達成度が当初の計画を大幅に下回っているとの事情がある。The Informationでは、グーグルがサービス開始から5年間で500万世帯の契約者獲得を目標としていたのに対し、2014年末時点での契約世帯数は20万世帯にとどまっていたなどと記している。

こうした事情もあり、グーグルはここにきてコストや時間のかかる光回線の展開を一時的に凍結し、かわりに高速な無線通信技術を使ってラストマイルの部分をカバーする方法の導入を検討していることなどが伝えられていた。またそのために今年6月には米国内の一部で高速無線通信をつかったISPサービスを提供するウェブパス(ISP Webpass)買収。また同月にはアルファベットのエリック・シュミット(Eric Schmidt)会長がs、ミリ波技術の発展がコストが高い有線通信に変わるソリューションになるなどと発言していた。

この話題を採り上げたRecodeでは、ラストマイルの部分に無線通信を使った場合にもインフラ敷設にかかるコストは5分の1程度までしか下がらないとする専門家の見方や、コストカッターとして知られるルース・プラット(Ruth Porat)CFOがアクセス側の方を持ち、両者の間をとりなしていたいたとする話などを紹介している。

グーグルは2012年7月にカンザスシティでGoogle Fiberの提供を開始し、その後現在までに7つの都市圏にサービスの提供範囲を拡げてきている。

【参照情報】
Inside the Battle Over Google Fiber - The Information
Alphabet is putting serious pressure on Google Fiber to cut costs - The Verge
Google Fiber is pulling back on its broadband rollout as pressure grows to cut costs - Recode
Google Fiber is the most audacious part of the whole Alphabet - Recode
Google Fiber hits Salt Lake City, now available in seven metro areas - ArsTechnica

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