グーグル、モジュラー型スマートフォン開発プロジェクト「Project Ara」を凍結

capture image: Ara: What’s next（Google ATAP）

グーグル、モジュラー型スマートフォン開発プロジェクト「Project Ara」を凍結

2016.09.05

Updated by WirelessWire News編集部 on September 5, 2016, 11:04 am JST

グーグル（Google）の先進技術プロジェクト（Advanced Technology and Projects、ATAP）グループが進めていたモジュラー型スマートフォン開発プロジェクト「Project Ara」について、同社が開発を中断したという情報筋の話が米国時間2日にReutersで報じられている。同報道によれば、グーグルではハードウェア事業の整理を進めており、今回のプロジェクト中断はこの一環だという。

「Project Ara」のプロジェクトは2013年に当時グーグル傘下にあったモトローラ（Motorola）のもとで開始されたもの。モジュラー型スマートフォンの実現を目標に掲げるこのオープンソース・プロジェクトでは、ユーザーが自由に部品を選んだり、特定の部品だけをアップグレードできるようにすることなどを目指していた。

グーグルがモトローラをレノボ（Lenovo）に売却したのに伴い、同プロジェクトはグーグルのATAPグループに引き継がれ、2015年1月には年内にプエルトリコで最初のモジュラー型スマートフォンをリリースするとしていたものの、この計画はその後中止となっていた。ただし今年5月には、同プロジェクトが開発者向け端末を今秋に、またコンシューマー向け製品を来年中にそれぞれリリースする考えも明らかにしていた。

WSJでは、同プロジェクトが一時棚上げとなった理由について、大幅な開発の遅れを指摘している。ATAPの各プロジェクトでは通常、開発した技術を量産化するまでに2年間という期限が与えられているという。また同プロジェクトを開始した当時にATAPの責任者を務めていたレジーナ・デューガン（Regina Dugan）氏が、今年4月にフェイスブック（Facebook）に移籍したことで、同プロジェクトがグループ内で後ろ盾を失ったとする関係者の話も記されている。

WSJによると、グーグルは同プロジェクトの今後について、協力企業の獲得や他社への技術ライセンス提供などを進める考えだという。