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外資系は実は学歴主義

Gaishikei value specific degrees

2017.11.23

Updated by Mayumi Tanimoto on November 23, 2017, 07:10 am JST

日本人エンジニアが外資系に転職する際に問題になるものとして、この前コミュニケーションのことを挙げましたけども、その他にもう一つハードルになるものがあるんです。

IT企業に業界でエンジニアとして採用する場合、普通は学部や修士のレベルでコンピュータ・サイエンスや電気工学物理といった理系の学位を撮っている人が優先なんです。もちろん文系出身でも就職してる人もいるので、あくまで優先度の話です。

ハードウェアよりの仕事であるとか、ユーザーサービスよりの仕事であったりすると、 海兵隊とか陸軍の通信部隊や情報システム部で働いていた人とか、高卒だけども「アプレンティス」といって職業訓練プログラムに応募して働きながら実務のスキルを磨いたという人も採用されることもあります。 こういう叩き上げの人たちもいるんですよね。意外ですけど。

ただし叩き上げ系の場合は、管理職や幹部になる場合にどうしても学位の有無が問われてしまいますので、昇進はちょっと不利な場合があります。

一般的なイメージだと、外資系や北米、欧州北部の会社というのは実力主義で学歴は関係ないという感じなんですけども、実はそんなことはありません。

こういう地域は日本以上に資格というものを重要視するところですから、 先ほど書いたように一部の叩き上げ系のポスト以外は大学や大学院で何を専攻したかということが、入社の際の足切りの条件になってしまいます。

なぜかというと、やはり基礎的な物理や数学の基礎がないと、適切なプログラムを設計したりすることや、ハードウェアに対する理解がどうしても足りなくなってしまうからです。

管理系の仕事の場合も同じで、やはり 理系や経営系の 専攻の人が優先です。

ただし、ある程度キャリアや経験の方が重視されるポストだと、何を学生時代に勉強したかはあまり関係はないんですけども。

しかし、例えば日本のように大学で文学を学んでいた人がいきなりエンジニア職として採用されてOJTでプログラミングの仕事に投入されるということはまずありません。

お客さんに対する仕事であればどういった人をアサインしているか、ということもチェックされる場合がありますし、企業内のプロジェクトであれば、アサインする人が会社の人事フレームワークに合っているかどうかというチェックが入ることがあるからです。

会社によっては、本社がグローバルで全世界の支社に対してそういったチェックをやっていることもあります。

ただしここでのポイントは、学校歴ではなくあくまで学歴ということです。

つまりどこの学校出たかということも見ますけども、やはり何を勉強したかということがとても重要です。

ですから、仮に日本人のエンジニアの人が北米や欧州北部の職場に応募する場合、専攻が歴史や社会学だとなぜ 専攻が違うのにエンジニアの仕事をしているんですか、と聞かれてしまうんですね。

そして数学や電気工学などは、一体どこで学んだのかということも問われるはずです。

自習したとかどこか専門の訓練校で学んだということが言えれば多分大丈夫だと思うんですけども、基礎的な知識があるかどうかは不安がられます。

そして実際に働き始めると、同僚達というのは学部や院で数学や物理などをやっていますから、そういった知識があることを前提に設計をしたり様々な提案をしてきたりします。

同僚に対しては大体同じような知識があることを前提として仕事をしますので、もしそれは理解できないとなると一緒に仕事はしたくないと言われてしまうこともあるんです。

これは実は日本で働いていた私の友人で、アメリカの大学で数学を専攻していたプログラマの人が言っていたことなんですが、日本で働いていた頃は、周囲のエンジニアが前提となるはずの数学的知識がないので非常にやりにくく、レベルが高い作業ができなかったので嫌になってしまったそうです。

その会社はベンチャーの会社なので、彼は入社前にとても面白い人たちがいると思って入社したのですが、日本人のエンジニアはあまりにも基礎的な訓練が足りないのでとても驚いたといっていました。彼は結局アメリカに帰ってしまいましたが、日本のIT企業は業界の弱さは、基礎教育軽視が理由の一つかもしれません。

ただし、これはどこでも同じですけども、新卒でも中途でも重要視されるのはとにかく実績なので、前職や個人の仕事で何か良い実績があれば、経歴は問われないこともあります。

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。

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