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LPWAの活用広がる、離島の水道検針にSigfox本格利用、産廃収集でLoRaWAN実証実験

2017.11.16

Updated by Naohisa Iwamoto on 11月 16, 2017, 06:25 am JST

低消費電力で長距離のIoT通信を可能にするLPWA(Low Power Wide Area)の適用範囲が国内でも着々と拡大している。Sigfoxを利用した水道検針の本格利用や、LoRaWANを利用した産業廃棄物の収集運搬の効率化の実証実験が相次いで始まっているのだ。

第一環境、アズビル金門、KDDI、京セラコミュニケーションシステムの4社が名を連ねる「Sigfox自動検針コンソーシアム」は、離島や山間部などの水道検針を効率化する自動検針システムの本稼働を開始した。同コンソーシアムは、姫路市水道局と協力して、姫路市内の島しょ部にある家島町の西島で、自動検針システムの準備を進めていたが、11月14日の検針分から本稼働を始め請求データとして利用する。

具体的には、西島に設置した水道メーター28個と一部のLPガスメーターが対象。Sigfox無線発信機付き電子式水道メーターを導入し、検診データを隣接する家島に設置したSigfox基地局を通じてデータセンターに集約する。

一方、NTT西日本グループは、エックス都市研究所、シンク・アンド・アクト、NISSHAと協力し、京都府の公募事業「平成29年度スマート・センサー活用リサイクル促進モデル効果検証等事業」の事業者に採択され、実証実験を開始した。利用するLPWAはLoRaWANで、産業廃棄物の効率的な収集を検証する。

特徴は3つある。1つは、排出事業者の保管所に計量センサーを設置し、IoTプラットフォーム上で各排出事業者の廃棄物量をリアルタイムに可視化できるようにすること。2つ目は、都度回収ではなく実需に連動した回収を実現すること。計量センサーから収集したデータをAIで分析し、後日の排出予測や最適な車両・走行ルートの選定が可能になる。3つ目が、保管所の環境に応じてLPWA、3Gなどのネットワークの種類やセンサーの組み合わせを変えること。最適なソリューションをネットワークやセンサーを含めてトータルで提供する。実証実験は2018年3月まで行われる。

今回、本稼働や実証実験に利用されるSigfoxとLoRaWANは、いずれも周波数利用に免許が不要な帯域を使うアンライセンスLPWA。国内でも通信事業者によるサービスの提供や対応無線発信機の開発が進んでいる。水道検針や産廃収集といった生活に密接した領域で、LPWAの低消費電力の特性や広いエリアで通信できる性能が、実際に生かされるようになってきた。

【報道発表資料】
新技術「LPWA」活用による自動検針の稼働開始
国内初!LPWAを活用した産業廃棄物の収集効率化に向けた実証実験開始について

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。