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ロンドン ATM イメージ

イギリスの銀行支店消滅の実態

Closing British bank branches and its reality

2017.11.30

Updated by Mayumi Tanimoto on 11月 30, 2017, 13:32 pm JST

みずほが構造改革策を発表、1.9万人削減、グループの500拠点を2024年度末までに100削減し、400拠点体制にするというニュースが話題になっていますね。その他の主要銀行も拠点の閉鎖と人員削減を発表し、AI時代になって失業するのが銀行員なのかという衝撃を与えているようです。

リーテル銀行の合理化に関してはイギリスは日本に先行しているので、こういうニュースは10年ぐらい前から経済ニュースの常連です。

主要銀行は1989年から年に300程度の支店を閉鎖しています。今年の閉鎖は762で、2016年は583でした。

HSBCは最もアグレッシブで、2010年から2016年の間に42%の支店を閉鎖しています。モバイルとネットバンキングの利用の増加で、支店を使用する人が過去5年間で40%減少したと述べています。 今年はRoyal Bank of Scotland は244支店、Lloyds Banking Group は195支店を閉鎖しました。

イギリスにおける銀行の支店の数は現在約8,000ですが、1989年には17,831店舗もありました。成人人口10万人辺りの銀行支店数は25ですが、北欧諸国の17よりは多めです。

アメリカの銀行の支店数は9万7千ですが、人口比で考えた場合、イギリスの支店数がアメリカ並みだった場合は1万9千ほどになるはずです。つまりイギリスはアメリカよりも合理化を進めているということです。

このように銀行の支店が急速に減っているわけですが、2016年には消費者の支払いの42.6%がクレジットカードかデビッドカード、42.3%が現金と、とうとうカード払いが現金を越えました。カード払いは一年で4.5%の増加、現金は4.9%の減少です。

さらに、電車やバスの利用も交通系プリペイドカードやデビッドカードのコンタクトレスペイメントが増えており、(イギリスは都市によってはデビッドカードで直接乗ることができます)2017年は40%近くがコンタクトレスで、2016年の25%から大幅な増加です。

元々クレジットカードやデビッドカードが数百円単位の少額決済でも使えますし、iZettleのような低価格のソリューションを提供するベンチャーがあるので小規模店舗や屋台でもカード払いが可能です。

ところで、モバイルペイメントやコンタクトレスが増えて、便利になったのでキャッシュレスが進んだというのもあるのですが、銀行店舗を使わない人が増えているのは、面倒くさいというのもあると思うんですよね。

例えば、イギリスの銀行ATMは壊れるのが前提です。現金は一度に400ポンドくらいまでしか引き出せませんが、300ポンドくらい引き出すと現金が詰まってしまうことがあります。詰まってしまった場合、その場ですぐには治りませんので、明日来てくれと言われます。

しかし、証明書もなにもくれません。しかも、口座からはお金が引き落とされてたりします。次の日に真っ青な顔で支店に行くと、行員が裏に行って、昨日ATMの中のお金と出したお金に差額があったみたいだから、君に余分な分を返すよ、金額は自己申告でいいよ、とポンと現金を渡してくれたりします。口座を見もしません。

こんな調子なので支店に行くと、ATM10台のうち3代に殴り書きで「故障中」という紙が貼ってあったりします。行員は謝るわけでもなく、他のスタッフとおしゃべりしています。

コンビニやスーパーのATMも銀行と同じく手数料は無料なのですが、かなり高い確率で壊れていることがあります。

日々の生活において、現金入手が非常に面倒なんです。ですからモバイルやカードで払った方が気楽なんですよね。それでますます支店からは足が遠のき、ネットやモバイルバンキングで済ましてしまうという流れです。

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。

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