画像はイメージです original image: © Sergey - Fotolia.com
通信用SIMとIoT向けのセキュアなICチップを合体、DNPとNTTコムが開発着手
2018.03.06
Updated by Naohisa Iwamoto on March 6, 2018, 06:25 am JST
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2018.03.06
Updated by Naohisa Iwamoto on March 6, 2018, 06:25 am JST
IoT機器の識別・認証や真正性の確認を確実に行うために、IoT機器にセキュアなICチップを搭載する手法が用いられる。このセキュアなICチップと通信用のSIMを1つにまとめた「セキュリティSIM」の開発が始まった。
取り組みは、大日本印刷(DNP)とNTTコミュニケーションズ(NTTコム)によるもの。2018年3月からセキュリティSIMの開発を進める。モバイル通信に利用するSIMに通信データの暗号化などIoT機器のセキュリティを向上する機能を追加したもので、カード型のSIMと組み込み型で契約情報などを遠隔から書き換え可能なeSIMの双方を開発する。IoT機器にセキュリティSIMを組み込むことで、モバイル通信回線の利用とセキュリティ機能の向上を同時に実現できるという。
セキュリティSIMは、モバイル回線の加入者認証を行うSIMの機能と、IoT機器の識別や認証、通信データの暗号化と真正性の確認、ソフトウエアの改ざんなどの不正検知を行うセキュリティ機能を併せ持つ。従来のソリューションでは、IoT機器にSIMのほかにセキュアなICチップを組み込む必要があったが、セキュリティSIMが利用できるようになればセキュアなICチップ向けの開発や実装が不要になる。
セキュリティSIMの開発に向けてDNPは、ICカード事業などで培ったセキュリティ技術や基盤を活用する。NTTコムは、香港で実証実験を行っているSIMの発行や運用ノウハウを用いる。両社を連携挿せることで、SIMの利用とセキュリティ向上を同時に実現する実験に成功したことを受けて、実用化に向けた共同開発を進めることになった。
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