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空飛ぶドローンは都市の交通問題を解決するか?

Would flying drone fix urban transport problems?

2018.10.30

Updated by Mayumi Tanimoto on October 30, 2018, 07:02 am UTC

前回の記事でもご紹介したように、欧州では最先端テクノロジー分野の一つとして大きな注目を集めているのが空飛ぶドローンことeVTOL(電力式垂直離着陸機)です。

Uberは、空飛ぶドローンは都市の交通問題を解決し通勤方法までも変えてしまう可能性があると主張していますが、空飛ぶドローンは世界に革新を起こすのでしょうか?

しかし、実装にはいくつかの課題があります。

まず、1点目の課題は各国の規制当局の動きです。

現時点ではeVTOLに対する証明書や安全規制というのはまだ不十分であり、規制当局側は積極的ではないようです。

欧州航空安全機関は、規制に関する コンサルテーションを開始しており、これはこのテクノロジーで欧州が他の地域より一歩抜きん出たいということの表れでしょう。

一見保守的に見える欧州ですが、航空産業や自動車産業、軍事産業では世界最先端ですので、それら技術の蓄積を新産業にも反映させたいということです。米国では盛んではないFI(要撃戦闘機)の技術蓄積も大きいです。

米国に関しては、思ったよりも対応が遅いなという印象を受けます。東アジアで積極的なのはシンガポールでしょう。我が国に関しては、ニュースでも全く取り上げられないのが気になります。

2点目の問題は、この乗り物が社会で受け入れられるかどうかということです。

ヘリコプターよりは音が小さいわけですが、このような新しいテクノロジーが社会に前向きに出会えるかどうかというのは案外大きな問題です。

都市の上空を飛行機状のものが飛ぶことになるわけですから、事故や公害を心配する人も少なくないはずです。

技術的には問題がなくても、心理的に受け入れられないという人もいるでしょう。そういった人々に対してどのようにこの技術を広報していくかというのは大きな課題です。

3点目の問題は安全性です。

自動運転の車と同じく、eVTOLは安全性に問題がないということを証明する必要があります。

ただし現時点では、どこの企業も実証実験段階でありますから、積み重ねられた安全証明がなく、飛行時間もあまりにも短いために、どの程度安全性が確保されるのかということはわかりません。

eVTOLがAIで自動運転に対応した場合、それは本当に安全なのかどうかということも疑問を持つ人も多いでしょう。 

4点目の問題は、どの程度の需要があるのかということです。

量産化されればコストは下がることは目に見えていますが、それにしても電車やタクシーに比べたら費用は高くなるはずです。

おそらく企業幹部や裕福な個人が使用することが想定されるのでありますが、どの程度の人が使うようになるのかというとことはよくわかりません。

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。

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