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急拡大するセルラーIoT接続、2025年には約半数がNB-IoTに

2018.10.30

Updated by Naohisa Iwamoto on October 30, 2018, 06:25 am JST

免許帯域(ライセンスバンド)を使うセルラー方式のLPWA(Low Power Wide Area)によるIoTデバイスの無線接続は、急速に利用が拡大している。香港に本拠地を置く調査会社カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ(カウンターポイント)は、こうしたセルラーIoT接続の2025年までの動向予測を発表した。

調査結果では、世界のセルラーIoT接続は2017年の同期と比べて大きな成長を遂げ、2018年上半期に72%増加したという。今後も、製造現場のIoTを実現するスマートマニュファクチャリング、電気やガス、水道など公共インフラのIoT化を実現するスマートユーティリティ、自動車や機器の移動を管理するスマートモビリティなどが原動力となり、今後5~7年の成長を牽引する。2025年までに全世界でセルラーIoT接続を行うデバイスは、50億台を超えるとの見立てである。

その中でも、急増すると見るのがNB-IoT。2018年上半期には、2Gや3Gのモバイルデータ通信を利用するIoT接続が合計して6割以上を占め、NB-IoTは4%程度のシェアにとどまっている。ところが、2025年には45%のシェアに達すると予測する。カウンターポイントでは、NB-IoTの多様なアプリケーションへの適合性と、エコシステム全体での採用が素早く進んでいることを理由に挙げる。また、5GによるIoT接続も2025年には10%に達すると見る。これは、例えば自動車のV2V(車車間通信)やV2X(車と道路などあらゆるものとの通信)など、一部のユースケースでの必要性からくるものと分析する。

一方で、セルラーIoTのソリューションのうち、接続性が占める価値は約12%と見積もる。ハードウエアが22%、残りの価値の大半はシステムインテグレーター、ミドルウエアや、ソフトウエアプラットフォーム、そしてクラウド分析ベンダーのものとなると指摘する。通信キャリアは、接続性による価値だけでは多くの収益を得ることができず、エンドツーエンドのソリューションの提供やIoTバリューチェーンを提供する各社とのパートナーシップが課題になるという。

【報道発表資料】
セルラーIoT接続は2025年までに全世界で50億台を超え、そのほぼ半数がNB-IoTとなる見通しに。

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。