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15)サラッとしたインドカレーにはやはりライス

2019.06.17

Updated by Toshimasa TANABE on June 17, 2019, 16:58 pm UTC

小麦粉で作るナンやチャパティも良いけれど、やはりカレーにはライス(ご飯)は不可欠ではないかと思う。特に、サラサラした汁気の多いカレーの場合にはライスだろう(ドライなカレーはチャパティの方が合うと思う)。

インドカレーの場合、日本のうるち米(ジャポニカ種)をちょっと固めに炊くほかに、アジアの長粒米(インディカ種)、インドの「バスマティ・ライス」(長粒の香り米)などの選択肢がある。

うるち米や長粒米であれば、多くの人に馴染みがあると思うが、バスマティ・ライスを食べたことがある人は少ないのではないだろうか。バスマティ・ライスは、米というより、細かくしたビーフンのような感じで、炊くというよりは茹でる感じで調理する。インドカレー専用になるが、本格であることは確かなので、まずはネット通販などであまりたくさんではない量を買ってみて、試してみるのが良いだろう。師匠であるメヘラ・ハリオム氏のブログに炊き方が解説されている。

バスマティ米の炊き方

日本の米を使う場合であっても、そのまま白いご飯で食べる、クミンを効かせたジラライスにする、ターメリックを効かせたターメリックライス(黄色いご飯)にする、などの方法がある。サフランライスというのもあるようだが、サフランは高価なのとインドでも一般的ではないようなので、サフランライスは省略する。その辺りの事情は、ハリオム氏のブログに詳しい。

サフランライスありますか?

ターメリックライスは、炊飯器でご飯を炊くときにターメリックを入れて炊くこともできるが、家庭の炊飯器は白いご飯を炊くことが多いので、ターメリックの色や香りが付かない方が良いと思う。

そこで今回は、ジラライスとターメリックライスの折衷案的なものを紹介しよう。インドカレー屋で出てくる黄色いライス(ターメリックライス)にスパイス感を感じることはあまりないが、この作り方だと意外にスパイシーに仕上がって、カレーの味わいを引き立てると思う。一度に炊いた白いご飯のうち、必要な量だけをカレー用にアレンジできるのも良いところだ。

材料
・ご飯
・サラダ油
・クミンシード
・ターメリックのパウダー
・バター
・塩

まず、ご飯を普通よりちょっと固めに炊く。もちろん、ご飯の固さはお好みで良いが、あまり粘り気が出ない方がカレーには合うと思う。

サラダ油にクミンシードを熱して、香ばしくなってきたらターメリック(市販のカレー粉でも良い)と塩少々を加えて、焦げないように気を付けながら全体を馴染ませる。最後に無塩バターをひと欠け投入する。有塩バターなら塩は省略する。

バターが融け切る寸前に温かいご飯を投入して、チャーハンの要領で鍋を振ったりして全体を馴染ませる。これで、インドカレーに良く合うスパイシーなライスが完成する。

サラダ油やバターの量は、ご飯の量による。あまり全体が脂っぽくならない程度の控えめな量にする方が良いだろう。ポイントは、バターの後入れだ。最初からバターを融かし始めると、クミンの香りが出る頃にはバターが焦げ臭くなって風味が悪くなってしまう。

ここでは、ターメリックとクミンを両方使ったが、どちらかだけでも良いだろう。ターメリックを入れないと黄色くならないが、クミンの風味だけでも十分である。

このようにしてカレー向けに作ったライスは(あるいは白米でも)、150-200g程度に小分けにしてラップで包み、荒熱を取ってから冷凍すると良い。市販のパックご飯の場合、小盛りが150g、普通が200g、大盛りが300gというものが多いが、食べる量を勘案して好みの量でラップする。

冷凍しておいたライスは、電子レンジ3分半くらいでいつでもすぐに食べられるから、ちょっと多めに作って冷凍保存しておくととても便利だ。カレーの冷凍保存はお勧めしないが、ライスは問題ないと思う。

量にもよるが、そもそもご飯を炊く方がカレーを作るよりも時間がかかることが多いので、カレーがそろそろできる、というタイミングでライスを解凍するのはなかなか合理的でもある。

ライスを使ったインド料理では、「ビリヤニ」も覚えておきたい。ハリオム氏のブログに本格なビリヤニの作り方が紹介されている。

チキンビリヤニ

ブログの中では、いくつもの種類のビリヤニが簡単ではあるがリンクされて紹介されている。作り方としては、最も本格なオーブン方式、炊き込みご飯方式、混ぜご飯方式、炒飯方式などがあるが、オーブン方式の場合、鍋の上に炭を置く代わりに鉄製などで蓋がついたいわゆる「ストーブ」を使ってオーブンで焼くなどしても良いだろう(ビリヤニの詳しいレシピは別途掲載の予定)。ビリヤニを作るのであれば、バスマティ・ライスで作りたいところだ。


※本連載は、横浜市都筑区のインド家庭料理「ラニ」のオーナーシェフであるメヘラ・ハリオム氏と、同氏を師と仰ぐ田邊(富士山麓のcafe TRAILでカレーを提供中)の共著という形で、インドカレーのセオリーについて考え、それを分かりやすく提示する試みです。もちろん、いくつか代表的なカレーのレシピも掲載していきますが、いわゆるレシピそのものを紹介すること自体は目的ではありません。このレシピはなぜこうなっているのかを理解することで、レシピを見なくても、自分にとって美味しいインドカレーが作れるようになることを目指しています。また、各種スパイスについての解説は、食材やスパイス同士の組み合わせや相性を中心とし、スパイスの歴史や特性などについては、他に優れた本がたくさんあるので、それらにお任せするというスタンスです。

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田邊 俊雅(たなべ・としまさ)

北海道札幌市出身。システムエンジニア、IT分野の専門雑誌編集、Webメディア編集・運営、読者コミュニティの運営などを経験後、2006年にWebを主な事業ドメインとする「有限会社ハイブリッドメディア・ラボ」を設立。2014年、新規事業として富士山麓に「cafe TRAIL」を開業。師と仰ぐインド人シェフのアドバイスを受けながら、日本の食材を生かしたインドカレーを研究中。