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劇的に変化する米国の教科書業界 ほか

Magazine News September 2019

2019.09.19

Updated by Wataru Nakamura on September 19, 2019, 16:00 pm JST

ハースト・マガジン、購読者がオンラインで読んだ記事のデータをプリント版雑誌のターゲット広告に活用【AD Week】
米大手出版社のハースト・マガジンは、自社のプリント版雑誌の購読者に向けた新たなターゲット広告の仕組み「MagMatch」を最新号の「Elle」から導入する。ハースト・データ・スタジオが考案したこの仕組みでは、購読者が自社のサイト上でクリックした記事などのデータを活用したターゲット広告をその読者向けのプリント版雑誌に含めるという。

原文:Hearst Magazines Will Target You in Print Based on What You Read Online

劇的に変化する米国の教科書業界【WIRED 8/4】
米国の教科書業界にはここ数年、劇的な変化が訪れつつある。教育系出版社最大手のピアソンが今年7月に発表した「デジタルファースト(電子版優先)」戦略、誰もが自由に利用できる教育資料を作る「Open Educational Resources」や「OpenStax」、米教育出版社大手で同業界のマグローヒルと合併したセンゲージが展開する「教科書のNetflix」的サブスクリプションサービス「Cengage Unlimited」などの取り組みをWiredが特集している。

原文:The Radical Transformation of the Textbook

米電子書籍売上、2019年上半期は3.8%減の4億9300万ドル【Publishing Perspectives 8/28】
米国の主要出版社1360社あまりで構成される全米出版社協会(Association of American Publishers、AAP)が8月28日にリリースした2019年上半期の売上高速報「StatShot」によれば、同期の参加出版社の売上は前年同期比6.9%増の60億ドル近くになった。このうち、電子書籍売上は前年同期比3.8%減の4億9300万ドルとなった一方、デジタルオーディオブックの売上は同33.8%増の2億7900万ドルとなっている。

原文:AAP’s StatShot Report January to June 2019: $6 Billion in US Book Revenue

世界各国で拡大する海賊版電子書籍の被害【Good E Reader 8/13】
米国では2018年、海賊版電子書籍による損害額が3億ドルに上ったと見積もられているが、このような海賊版電子書籍は米国以外でも出版社に損害をもたらしている。エジプト出版社組合(Egyptian Publishers Union)では同国での昨年の海賊版電子書籍による損害を168万ドルと見積もっているほか、英知的財産庁は「2017年に消費された電子書籍のうち、17%にあたる400万冊分が海賊版電子書籍であった」という調査結果を示している。

原文:eBook Piracy is on the rise in 2019

J・D・サリンジャー財団、ついにサリンジャー作品の電子書籍版リリースに合意【The Guardian 8/12】
米作家のJ・D・サリンジャーの作品の著作権を管理するJ・D・サリンジャー財団が先ごろ、この作家の作品の電子書籍版を初めてリリースすることで合意したという話をNew York Times紙が報道。同財団はこれまで、紙の本による読書体験を重視するサリンジャー本人の意志を尊重してきたものの、障害などを持つ読者のアクセシビリティを求める声を受けて方針を変えたという。

原文:JD Salinger estate finally agrees to ebook editions

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中村 航(なかむら・わたる)

1985年生まれ。福岡県福岡市出身。翻訳者。テクノロジーやファッション、伝統工芸、通信、ゲームなどの分野の翻訳・校正に携わる。WirelessWire Newsでは、主に5G、セキュリティ、DXなどの話題に関連する海外ニュースの収集や記事執筆を担当。趣味は海外旅行とボードゲーム。最近はMリーグとAmong Usに熱中。