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強固なネットインフラは「安全保障」

Secure Internet is a national security

2020.03.24

Updated by Mayumi Tanimoto on March 24, 2020, 10:00 am JST

イギリスは、先週から今までの状況がガラッと変わってしまい、 新型肺炎による対策で第二次世界対戦以来の危機に見舞われています。店には食べ物がありません。仕事を失い食べ物もない人々が、商店や通行人、一般家庭を襲う可能性が高くなっています。しかし、私と家族は、感染もせずになんとか生きています。

イギリスでは、もともと知識産業の人々は在宅勤務の人が少なくなかったので、在宅勤務に変える企業がぐんと増えてもそれほどインパクトはなかったのですが、 ここに来て日本ではあまり想像できなかった点が大問題になっています。

それは、通信インフラの脆弱性です。

イギリスは、日本や韓国に比べて通信インフラへの投資を怠ってきましたので、ネット環境はかなり貧弱です。

日本のレベルでの光ファイバーのネットワークはほとんどありませんし、ISPによっては平気で断線したり、2週間も不通になるというたことが珍しくありません。

国は、Internet Service Providers' Association (ISPA) に対して、在宅勤務の人や高齢者のコミュニケーションを促進するために、この危機の間は通信料を無料にするべきだといっているのですが、 国が災害を想定してインフラに投資して来なかったのに今さら何をいうか、 ユーザーが莫大に増えたらインフラが耐えられないとして反対しています。

現在イギリスは、自主隔離で家に引きこもっている人や、 ネットで買い物するしかないという人が相当数いるので、ネットインフラが生命線であるにもかかわらず、無償アクセス提供が反対されているわけです。

皆さんが覚えているように、日本では東日本大震災の時でもネットインフラは稼働していました。

携帯電話の通信は影響を受けることもありましたが、Twitterは常時アップされているなど、驚くような安定性で復旧を支えました。

どんどん悪化していく津波の影響や原発事故の影響を、ネットの動画で延々と見ていたのを覚えています。あの莫大な数のユーザーが使っていたのにもかかわらず、動画が遅延したり切断されることはなかったのです。

あの時、携帯電話は繋がらなかったけれども、Twitterやメールが繋がったために救援を呼べた、という人がいたのも覚えています。

あの時ほど日本政府のインフラへの投資や、通信事業者の普段からのきめ細かいメンテナンスやサービス運営に感謝したことはありません。日本は世界に誇れる素晴らしい通信インフラを持っています。

新型コロナウイルスは、想像以上に恐ろしいウイルスです。

どうか企業の皆さんは、出来る限り従業員の皆さんが家から仕事ができるようにしてあげてください。 日本のインフラは、イギリスやイタリアよりも何倍も強固ですから、多少アクセスが増えても大丈夫です。

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。