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IoTプラットフォームに保険を組み込みセキュリティ事故を補償、サイバートラストが今夏に提供

2020.04.13

Updated by Naohisa Iwamoto on April 13, 2020, 14:00 pm JST

IoT機器がサイバー攻撃のターゲットになってしまったとき、被害を補償してくれる保険があれば安心してIoTデバイスやサービスを提供できる。そうした要望に応えられるように、サイバートラストが同社の提供するIoTプラットフォームにIoT機器専用の保険を組み込んで提供を始める。

サイバートラストは、IoT機器の製造から廃棄までのライフサイクル管理をセキュアに実現できるようにする「セキュアIoTプラットフォーム」(SIOTP)を提供している。このプラットフォームを利用する特定のICチップを実装したIoT機器に対して、IoT機器専用の保険が適用されるようになる。保険そのものは東京海上日動火災保険が提供。サイバートラストが保険契約者となり、IoT機器利用者の法人が被保険者となる。保険の組み込みは2020年夏を予定しており、SIOTPと連携して対象となるIoT機器を利用したり管理したりする法人は、追加費用を支払うことなく保険の対象になる。

産業制御システムはサイバー攻撃のターゲットになりやすく、ウイルス感染や不正アクセスなどのサイバー攻撃のリスクが年々増大し、また物理的な攻撃にさらされやすい環境で利用されるケースではソフトウエアだけの対策では不十分だとサイバートラストは指摘する。そうした背景から、セキュアなハードウエアで保護された信頼の起点(Root of Trust、RoT)の実装と、保護などの運用が、国際電気標準会議(IEC)の産業制御システムの国際標準規格「IEC 62443」や米国立標準技術研究所(NIST)のセキュリティ関係のレポート「NIST SP800」などの国際規格で要求されるようになってきている。

サイバートラストは、RoTを実装したICチップとSIOTPにより、国際規格が定めるセキュリティ対策に準拠できるようにしている。発表時点で対応するICチップは、(1)東芝デバイス&ストレージ製のルートオブトラスト対応マイコン、(2)パナソニック セミコンダクターソリューションズ製の多機能セキュアIC、(3)Texas Instruments製ICチップ--である。これらのICチップとSIOTPを連携させることにより、IoT機器のライフサイクル全体にわたる真正性を担保できるようになり、これまで難しかったIoT機器専用の保険を提供できるようになったという。

【報道発表資料】
IoT 機器専用の保険を組み込んだ「セキュア IoT プラットフォーム」を提供

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。