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パンデミックで企業評価が変わる

Pandemic changes business evaluations

2020.05.22

Updated by Mayumi Tanimoto on May 22, 2020, 12:26 pm JST

イギリスは、相変わらずコロナによる死者の数が多く、超過死者数(例年と比べてどれだけ多くの人が死んでいるか)を加えると6万人を超える方が亡くなるという大惨事になっていますが、5月の3週目から徐々に都市封鎖が解除され始めています。

ビジネスも、エッセンシャルワーカー(生活必須職従事者)以外の通勤も認められるようになり始めましたが、そこで問題になっているのが働き方のあり方です。

日本に比べると特にロンドンのテック業界は、コロナ以前から働き方がかなり柔軟になっています。リモートワークが当たり前で、オフィスコストが高いこともあり、開発部隊は最初から席がないといった状況が珍しくなかったり、チーム自体が全世界に散らばっているので、常日頃から出社しないのが当たり前という感じの職場が珍しくなかったのです。

しかし、全ての職場というわけでもなく、保守的な組織だとここ2カ月で5年から10年ほどの変化が急激に起きてしまったような感じです。

コロナ以前から、転職者が企業を選ぶ際には、給料やネームバリューだけではなく、リモート勤務が可能かどうかや家族の都合に合わせて休暇を取れるか、というような「柔軟な対応」が選択要因のトップの一つでしたが、現在は何よりも健康を最優先にしたい、という人が増えているので、重要性がより高まることが目に見えています。

イギリスを始めとして欧州では、この「柔軟な対応」が 特にテック業界ではここ10年ほど非常に重要な人材採用のテーマでした。人材の採用が非常に難しい割には離職率が異常に高いので、いかに魅力的な職場を作り上げるかということが企業の競争力をそのものであったわけです。

今後はそれに加えて、各職場が従業員の健康を守る気があるかということも働く側のチェック項目に加わることになるでしょう。 

柔軟性がどんな人材を採用できるかに直結してしまうわけですから、取引先や投資先の企業をチェックする際にも評価項目にすることが増えるでしょう。

日本でのディスカッションを見ていると、コロナ後の働き方に関してはまだまだ「リモートワークをどうするか」ということで議論が止まっているようでありますが、 企業評価そのものの価値観が大幅に変化しているということを意識する必要があるでしょう。

 

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。