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イギリスのコロナ追跡アプリ

UK’s COVIT-19 tracking app

2020.05.25

Updated by Mayumi Tanimoto on May 25, 2020, 11:07 am JST

イギリスではコロナの公式な死者が3万人を超え、超過死者数を加えると6万人を超える見通しですが、ロックダウンを徐々に解除しています。

カフェなどの飲食店は一部再開し、公園や海岸の訪問も解禁されましたが、さらなる解除の切り札とされているのが「NHS COVID-19 App」と呼ばれる感染者追跡アプリです。

イギリスはアプリを国独自で開発しており、国立病院機構(NHS)のテクノロジー部門であるNHSXがVMWare Pivotal Labsに開発を依頼しています。

現在は、人口が少ないワイト島(日本だと八丈島などに相当します)で実証実験が行われていますが、本土でも使用される予定です。

ユーザーは、自分のスマートフォンに Apple か Android のアプリストアからアプリをダウンロードし、自分の住所の郵便番号の最初の二桁を入力します。

次に、スマホ側のブルートゥースをオンにすると、近くにいるユーザーとキーを交換します。ユーザーがコロナの症状を自己申告すると、キーを交換した人に通知が届くという仕組みです。通知が届くかどうかは、感染者と他のユーザーが過去2週間の間に接触した回数、距離、時間で計算された結果によります。

また、自己申告した症状はNHSのデータベースに送信され、テスト、自己隔離が必要がどうかがAIによって診断され通知が届きます。

アプリは、接触情報や自己申告情報以外は収集せず、GPSや健康情報、決済情報、個人を判別するIDとも連動していません。データは匿名化されキーに番号が振られるだけです。

この点は、性別や喫煙情報なども収集するインドの追跡アプリ「Aarogya Setu(健康の架け橋)」や、個人の健康情報や決済情報と連動している中国の「健康ID」、GPSやクレジットカードの決済と連動して個人の行動を徹底的に追跡する韓国のアプリとは異なります。イギリスの個人情報保護法に沿ってプライバシー保護を優先しています。

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。