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ギター クラシック 木製 イメージ

防犯カメラだらけの社会で

2022.07.11

Updated by Toshimasa TANABE on July 11, 2022, 17:54 pm JST

50年以上前に北米で盗まれたカナダのロックミュージシャンのギターが日本で発見された、というニュースがあった。発見の経緯は、ファンが盗まれる前の映像などから木目などギターの特徴がはっきりわかる画像を抽出し、それを画像検索で世界中のギターの画像と照合して探した結果、東京のギターショップで販売されていたことが分かった、というもの。ギターショップに連絡したところ、日本のミュージシャンが購入していて、現在の所有者であるそのミュージシャンにたどり着いたという。

「いい話だなー」などと思っていたら、ほぼ同時期にこんなニュースが流れてきた。時効目前の事件についての情報提供を呼びかけるために、犯人と思われる人物の画像を印刷したビラをどこかの県警が事件発生の場所の最寄り駅で配った、というものだ。

いまだに、この手の情報提供の呼び掛けが効果的なのか、あるいは従来の手法での捜査しかしていないだけなのか、実際の捜査においてはデジタルを駆使しているのではあるがそういうこともしているという話なのかは分からないが、なんとも時代遅れな感じは拭えなかった。

また、高知では「ばいきんまん」の石像のツノが折られるという事件があったらしいのだが、今どきはどこに行っても防犯カメラ(ダミーも多いらしいが)が設置されているので、すぐに犯人は特定されるのではないかと思われた。意図的な破壊ではなかったとしても、罪に問われるのだろうか?

実際、最近の事件のニュースを聞いていると(テレビがないのでラジオなのだ)、「防犯カメラの映像から容疑者を特定」という話が非常に多いので、迂闊に素顔を晒して(最近はマスクをしているが)その辺を歩いてはイカンのではないか、とも思うのである。一方で、失せモノが思いがけず見付かる、ということが増えるのかもしれない。冒頭のギターの話は犯罪とは直接は結び付いていないが、完璧だったはずの犯罪が露見するということもあるだろう。

50年くらい前といえば、1970年の大阪万博が想起される。「Modern Times」で万博とウルトラマンや仮面ライダーに言及した記事を見付けた。学生の頃にオフロードバイクに乗っていたのは、間違いなく仮面ライダーの影響だ(スズキのハスラーではなかったが)。そういえば、1989年に当時乗っていたバイクが渋谷で盗まれたのだが、写真を手掛かりに画像検索したら何か見付かるだろうか?

■ウルトラマンを大阪万博で紐解く
https://www.moderntimes.tv/articles/20220708-01expo/

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田邊 俊雅(たなべ・としまさ)

北海道札幌市出身。システムエンジニア、IT分野の専門雑誌編集、Webメディア編集・運営、読者コミュニティの運営などを経験後、2006年にWebを主な事業ドメインとする「有限会社ハイブリッドメディア・ラボ」を設立。2014年、新規事業として富士山麓で「cafe TRAIL」を開店。2019年の閉店後も、師と仰ぐインド人シェフのアドバイスを受けながら、日本の食材を生かしたインドカレーを研究している。