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何がデジタル・トランスフォーメーションを阻害するのか?

What prevents digital transformation

2021.01.22

Updated by Mayumi Tanimoto on January 22, 2021, 12:01 pm JST

「トランスフォーメーション」を阻害する要因は何か、ということについて日本でも随分議論されてきていますが、一昨年あたりからその要因はかなり変わってきています。

デジタル・トランスフォーメーションを巡る議論では、変化を阻害するのは企業の文化や抵抗勢力であるとよくいわれてきたわけですが、この辺りの問題意識が、どうも一昨年あたりから大きく変わってきているようなのです。

Infosysが2019年に実施した調査「Infosys Digital Radar 2019」は、北米をはじめ欧州やインド、アジア太平洋などの大企業のシニアマネージャ以上の1000人に対すして実施したのです。この調査の中で、デジタル・トランスフォーメーションを阻害する要因を見ると、企業の意識が大きく変わっていることがよく分かります。

例えば2018年には、阻害要因として「迅速に試すことができない」という回答が53%だったのに対して、2019年には22%と大幅に低下しています。また、2018年には43%が「予算不足」と回答していた一方で、2019年には30%に低下しています。その他の項目は、2018年と2019年で大きな違いがありません。

その他の項目では、2019年の場合、41%が「レガシーシステムの存在」、38%が「スキルのある人材不足」、37%が「サイバーセキュリティ」、同じく37%が「変更管理の能力不足」、33%が「リスク回避文化」と回答しています。

2019年に「迅速に試すことができない」「予算不足」が大幅に低下したということは、組織全体としてデジタル・トランスフォーメーションについての合意が形成され、実証実験や実装をやり始めている、ということです。

一方で、レガシーシステムを一掃できず、人材やスキルが不足していて変更管理に手が届かないというのは、実行面での障害が多く、やる気はあるがなかなか先に進めないという状況にある、と見ることができます。

非常に興味深いのが、この傾向が特定の国ではなく、数カ国で共通しているということです。全体的な意識変革や必要性への理解は高まっているが実行が伴わない、というのは、どこも同じ傾向なのです。

つまり、実行を請け負える人材や組織には、大きなビジネスチャンスが訪れているということでしょう。

 

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。