「アメーバ型組み合わせ最適化」でデータではなくモノを動かすぞ
Amoeba-inspired analog electronic computing system integrating resistance crossbar for solving the travelling salesman problem
2021.10.21
Updated by Schrodinger on October 21, 2021, 07:00 am JST
Amoeba-inspired analog electronic computing system integrating resistance crossbar for solving the travelling salesman problem
2021.10.21
Updated by Schrodinger on October 21, 2021, 07:00 am JST
シュレディンガーの水曜日(Schrödinger's Wednesday)、第4回は、Amoeba Energy(アメーバエナジー)株式会社の代表取締役社長 青野真士氏をお迎えします。今回、初めて民間企業の研究者が登場することになるわけですが、青野さんは、神戸大学大学院自然科学研究科で博士号(理学)を取得し、粘菌アメーバの振舞いに着想を得た組合せ最適化コンピュータの開発に取り組んでおられます。
理化学研究所、東京工業大学WPI地球生命研究所、科学技術振興機構さきがけにて研究を進め、2016年には文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞されました。さらに、アメーバ型組合せ最適化コンピュータとアメーバ型ロボットの研究開発を進めて行くために起業してしまったという、最近増加しつつある「研究者起業」を実践する若手、ではあるのですが、実は組み合わせ最適化コンピュータに関してはベテランなのです。
現在の量子アニーリングは、量子ビット数が少なすぎ、量子ゲート方式はまだまだ実用化に程遠い(加えて、とてつもない電力を必要とする)という状況の中で、「組み合わせ最適化の実空間への応用」に関しては一日の長がある、というわけです。当日はおそらく、半導体製造工場に実装された例などについてご説明いただけるでしょう。
「さっさと問題解決したいんだけど、量子コンピュータじゃ使い物にならん」とお嘆きの企業の方にうってつけの講義になるはずです。中国人郵便配達問題(中国人じゃなくてもいいんだけどね)であるとか、巡回セールスマン問題(日本人に限った話じゃないよ)を勉強したい高専の生徒さん・文系の大学生の皆さんも楽しく受講できますよ。
ようこそ「シュレディンガーの水曜日 第四夜」へ。
講師 青野真士 Amoeba Energy(アメーバエナジー)株式会社・代表取締役社長
・日程:2021年10月27日(水曜)19:30-21:00(予定)
19時半からゆるゆると開講、30分くらい経つとようやくエンジンがかかってきます。予定終了時刻(21時)を過ぎたあたりから劇的に面白くなる可能性が高いのでご注意ください。
・Zoomを利用したオンラインイベント:前日までに参加URLをメールでお送りします
・お申し込み:こちらのPeatixのページからお申し込みください。
「シュレディンガーの水曜日」は、毎週水曜日19時半に開講するサイエンスカフェです。毎週、国内最高レベルの研究者に最先端の知見をご披露いただきます。下記の4人のレギュラーコメンテータが運営しています。
原正彦(メインコメンテータ、MC):東京工業大学・物質理工学院・応用化学系 教授
1980年東京工業大学・有機材料工学科卒業、1983年修士修了、1988年工学博士。1981年から82年まで英国・マンチェスター大学・物理学科に留学。1985年4月から理化学研究所の高分子化学研究室・研究員。分子素子、エキゾチックナノ材料、局所時空間機能、創発機能(後に揺律機能)などの研究チームを主管、さらに理研-HYU連携研究センター長(韓国ソウル)、連携研究部門長を歴任。現在は東京工業大学教授、地球生命研究所(ELSI)化学進化ラボユニット兼務、理研客員研究員、国連大学客員教授を務める。
今泉洋(レギュラーコメンテータ):武蔵野美術大学・名誉教授
武蔵野美術大学建築学科卒業後、建築の道を歩まず、雑誌や放送などのメディアビジネスに携わり、'80年代に米国でパーソナルコンピュータとネットワークの黎明期を体験。帰国後、出版社でネットワークサービスの運営などをてがけ、'99年に武蔵野美術大学デザイン情報学科創設とともに教授として着任。現在も新たな表現や創造的コラボレーションを可能にする学習の「場」実現に向け活動中。
増井俊之(レギュラーコメンテータ):慶應義塾大学環境情報学部教授
東京大学大学院を修了後、富士通、シャープ、ソニーコンピュータサイエンス研究所、産業技術総合研究所、米Appleにて研究職を歴任。2009年より現職。『POBox』や、簡単にスクリーンショットをアップできる『Gyazo』の開発者としても知られる、日本のユーザインターフェース研究の第一人者だがIT業界ではむしろ「気さくな発明おじさん」として有名。近著に『スマホに満足してますか?(ユーザインタフェースの心理学)(光文社新書)など。
竹田茂(司会進行およびMC):スタイル株式会社代表取締役/WirelessWireNews発行人
日経BP社でのインターネット事業開発の経験を経て、2004年にスタイル株式会社を設立。2010年にWirelessWireNewsを創刊。早稲田大学大学院国際情報通信研究科非常勤講師(1997〜2003年)、独立行政法人情報処理推進機構・AI社会実装推進委員(2017年)、編著に『ネットコミュニティビジネス入門』(日経BP社)、『モビリティと人の未来 自動運転は人を幸せにするか』(平凡社)、近著に『会社をつくれば自由になれる』(インプレス/ミシマ社)、など。
おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)
登録はこちらオンラインイベント「シュレディンガーの水曜日」の運営事務局です。東京工業大学・物質理工学院・原正彦研究室の協力の下、WirelessWireNewsが主催するオンライン・サイエンスカフェです。常識を超えた不思議な現象に溢れた物質科学(material science)を中心に、日本の研究開発力の凄まじさと面白さを知っていただくのが目的です。