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講師:今泉洋(いまいずみ・ひろし)武蔵野美術大学名誉教授

研究の進め方をデザインし直してみよう

Redesign how to proceed with Research

2022.01.07

Updated by Schrodinger on January 7, 2022, 13:50 pm JST

大学法人化(2004年)以降、雑務が急増した教員は、それまでも潤沢とはいえなかった教育と研究にかけられる時間と費用がさらに激減しました。競争的資金を獲得するための準備や手続きにも膨大な時間を費やす必要があり、「論文なんぞ書く時間はありません」がホンネのところでしょう。

一方で「機械学習とロボットが勝手に新物質を産み出す時代が来た」のように、デジタルテクノロジーによる研究サポートがようやく現実的なものになり始めたのも事実。学術論文出版の世界も急速にデジタル化が進行し、古典的な価値観が破壊され始めています。

このような状況を総合的に観察すると、時代は研究開発のスタイルの見直しを迫っているように見えます。研究(という活動)はどのように「リ・デザイン」されるべきか、が問われているのです。

2022年最初のシュレディンガーの水曜日は、長年にわたって武蔵野美術大学でデザイン情報学を研究してきた今泉洋氏(現在は名誉教授)がこの困難なテーマに対して、「創造的なコラボレーションの場の作り方」という具体的な方法論を提供することで、自然科学系の研究者の研究スタイルをよりクリエイティブなものにできるかも、という試論を展開します。

今回は、大学での研究の現場にいらっしゃる方を対象とします(研究開発部門に所属する企業の研究者にも参考になると思います)。今泉氏によるプレゼンテーションの時間をなるべく短く切り上げ、その後の雑談を創発の場にしていこうと考えています。

なお、2022年1月のシュレディンガーの水曜日は、コメンテータ3人による講義3連発でスタートします。今回の今泉先生による講義はその第一弾、というわけです。奮ってご参加ください。

募集要項
1月12日(水曜日)19:30開始
研究の進め方をデザインし直してみよう

講師:今泉洋(いまいずみ・ひろし)武蔵野美術大学名誉教授

講師:今泉洋(いまいずみ・ひろし)武蔵野美術大学名誉教授

1951年生まれ。武蔵野美術大学建築学科卒業後、建築の道を歩まず、雑誌や放送などのメディアビジネスに携わり、80年代に米国でパーソナルコンピュータとネットワークの黎明期を体験。帰国後、出版社でネットワークサービスの運営などを手掛ける。99年、武蔵野美術大学デザイン情報学科創設とともに教授として着任。新たな表現や創造的コラボレーションを可能にする学習の「場」実現に向け活動している。

・日程:2022年1月12日(水曜)19:30-21:30(予定)
・Zoomを利用したオンラインオンラインイベントです。前日までに参加URLをメールでお送りします。
・参加費:無料
こちらのPeatixのページからお申し込みください。


「シュレディンガーの水曜日」は、毎週水曜日19時半に開講するサイエンスカフェです。毎週、国内最高レベルの研究者に最先端の知見をご披露いただきます。下記の4人のレギュラーコメンテータが運営しています。

原正彦(メインキャスター、MC):東京工業大学・物質理工学院応用科学系 教授原正彦(メインコメンテータ、MC):東京工業大学・物質理工学院・応用化学系 教授
1980年東京工業大学・有機材料工学科卒業、1983年修士修了、1988年工学博士。1981年から82年まで英国・マンチェスター大学・物理学科に留学。1985年4月から理化学研究所の高分子化学研究室・研究員。分子素子、エキゾチックナノ材料、局所時空間機能、創発機能(後に揺律機能)などの研究チームを主管、さらに理研-HYU連携研究センター長(韓国ソウル)、連携研究部門長を歴任。現在は東京工業大学教授、地球生命研究所(ELSI)化学進化ラボユニット兼務、理研客員研究員、国連大学客員教授を務める。

今泉洋(レギュラーコメンテータ):武蔵野美術大学・名誉教授今泉洋(レギュラーコメンテータ):武蔵野美術大学・名誉教授
武蔵野美術大学建築学科卒業後、建築の道を歩まず、雑誌や放送などのメディアビジネスに携わり、'80年代に米国でパーソナルコンピュータとネットワークの黎明期を体験。帰国後、出版社でネットワークサービスの運営などをてがけ、'99年に武蔵野美術大学デザイン情報学科創設とともに教授として着任。現在も新たな表現や創造的コラボレーションを可能にする学習の「場」実現に向け活動中。

増井俊之(レギュラーコメンテータ):慶應義塾大学環境情報学部教授増井俊之(レギュラーコメンテータ):慶應義塾大学環境情報学部教授
東京大学大学院を修了後、富士通、シャープ、ソニーコンピュータサイエンス研究所、産業技術総合研究所、米Appleにて研究職を歴任。2009年より現職。『POBox』や、簡単にスクリーンショットをアップできる『Gyazo』の開発者としても知られる、日本のユーザインターフェース研究の第一人者だがIT業界ではむしろ「気さくな発明おじさん」として有名。近著に『スマホに満足してますか?(ユーザインタフェースの心理学)(光文社新書)など。

竹田茂(司会進行およびMC):スタイル株式会社代表取締役/WirelessWireNews発行人竹田茂(司会進行およびMC):スタイル株式会社代表取締役/WirelessWireNews発行人
日経BP社でのインターネット事業開発の経験を経て、2004年にスタイル株式会社を設立。2010年にWirelessWireNewsを創刊。早稲田大学大学院国際情報通信研究科非常勤講師(1997〜2003年)、独立行政法人情報処理推進機構・AI社会実装推進委員(2017年)、編著に『ネットコミュニティビジネス入門』(日経BP社)、『モビリティと人の未来 自動運転は人を幸せにするか』(平凡社)、近著に『会社をつくれば自由になれる』(インプレス/ミシマ社)、など。

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オンラインイベント「シュレディンガーの水曜日」の運営事務局です。東京工業大学・物質理工学院・原正彦研究室の協力の下、WirelessWireNewsが主催するオンライン・サイエンスカフェです。常識を超えた不思議な現象に溢れた物質科学(material science)を中心に、日本の研究開発力の凄まじさと面白さを知っていただくのが目的です。

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