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ミリ波でのワイヤレス電力伝送、ソフトバンク、京大、KITが成功

2022.10.17

Updated by WirelessWire News編集部 on October 17, 2022, 07:00 am JST

ソフトバンク、京都大学、金沢工業大学は2022年10月7日、5Gや今後の6Gで使うミリ波を活用したワイヤレス電力伝送に成功したと発表した。今後様々な場所に設置することが想定されるIoTデバイスやセンサーなどへの給電問題を解決するための技術で、新たな産業の開拓や発展の可能性が広がる。

5Gなど通信トラフィックを処理するネットワーク・インフラの整備が進むにしたがって、より膨大な数のIoTデバイスやセンサーなどが使われると予測されている。その一方、こうしたIoTデバイスやセンサーで課題となっているのが電源である。バッテリー交換の負荷を減らし給電方法を簡略化する解決策として注目されているのが、ワイヤレス電力伝送だ。

現在の無線局の大部分が集中している6GHz以下の周波数帯では、他の通信システムとの干渉を抑えるために出力電力や送電装置の設置場所などで大きな制約を受ける。そこで、ソフトバンク、京都大学、金沢工業大学は、周波数がひっ迫していないミリ波通信帯域を利用してワイヤレス電力伝送を実現するシステムを開発し、28GHz帯の電波を使って電気エネルギーを取得することに成功した。

今回のシステムでは、ミリ波の通信装置に実装し、同一のアンテナを共用しながら通信とワイヤレス電力伝送を実現した。具体的には、アンテナのビームフォーミング機能を活用することで、ミリ波の周波数帯域を時間と空間ごとに通信とワイヤレス電力伝送で使い分けるようにした。このシステムから、金沢工業大学が開発した受電レクテナ(電波を電気エネルギーに変換する機能を搭載したアンテナ)へ送電する実験を実施したところ、電気エネルギーが取得できたことを確認した。これにより、通信の需要が少ない時間帯に通信基地局のリソースをワイヤレス電力伝送に割り当てて、基地局や周波数を給電のために有効活用できるようになる。

今回の実験は、情報通信研究機構(NICT)の「Beyond 5G研究開発促進事業」の令和3年度新規委託研究の公募(第1回)で採択された「完全ワイヤレス社会実現を目指したワイヤレス電力伝送の高周波化および通信との融合技術」(一般課題 採択番号02401)に関する共同研究に基づいたもの。今後、より高効率かつ簡易な送電アンテナのシステムの構築や、受電レクテナの多素子化による受電性能の向上、屋外フィールド試験などによる技術の有効性や商用利用の可能性の実証などの研究開発を進めていく。

[リリース]
ミリ波の通信装置にワイヤレス電力伝送の機能を実装した システムの開発と実験に成功

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