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1週間先の天気を見通せない理由

2023.01.06

Updated by WirelessWire News編集部 on January 6, 2023, 10:51 am JST

週間天気予報がくるくる変わっていく理由

行楽シーズンになると、屋外のイベントを計画したり、参加したりすることが増える。そんなときに気になるのが天気である。特に、春や秋のような過ごしやすい季節は天気が周期的に変わるので、イベント当日に雨や強風などの荒れた天気になると最悪である。屋外だから、天気によっては中止や延期を判断しなければいけない。だから、イベントの主催者や参加者はイベントの日が近づくと、週間天気予報とにらめっこするものだ。

しかし、毎日のように週間天気予報をチェックしていると、気づくことがある。それは、先のほうの予報は結構コロコロ変わっていくということだ。

自分の話になってしまうが、今年の3月下旬に子どもの春休み遠足の予定があった。雨天順延のため、1週間前から気象庁や民間気象会社の予報を見比べ、にらめっこしてきた。気象庁の予報では、1週間前までは曇り時々晴れで、民間気象会社では雨の予報が出ていた。「どうか晴れてほしい…」と気象庁の予報を信じたい気持ちでいっぱいだったが、遠足の日が近づくにつれて、気象庁の予報も雨混じりに変わり始めた。そして前日には、どこも曇りのち雨の予報に変わった。主催者の意向で遠足は決行となったが、結局当日は15時ごろまでは曇りで、その後は雨であった。

なぜ、このように週間天気予報の先の日程の予報は変わっていくのだろうか。それは、天気予報のもとになっている数値予報というコンピュータで計算された値に限界があるからなのだ。

数値予報の計算は、地球を格子状に区切って行う。格子の間隔は予報の種類によっても違うが、2-20km程度である。しかし、直径20kmよりも小さい雲は存在するので、現実よりも解像度が粗い前提で計算していることになる。しかし、解像度を高めようとすると、それだけ計算量が膨大になって、予報したい時刻に予報が間に合わなくなる。だから、地球全体の予測を行う場合は、ある程度解像度を粗くせざるを得ないのである。

※本稿は、モダンタイムズに掲載された記事の抜粋です(この記事の全文を読む)。
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