写真:PeopleImages.com Yuri A / shutterstock
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今はデータ駆動型社会へ移行中、といわれるが、実のところ「データは意志決定を駆動しない」。占い頼みにでもしない限り、組織の意思決定にはいつでも人間が関わらなくてはならないのだ。では、データはどのように意思決定に関わるのか。意思決定に役立つデータとは何か。現役のデータアナリストが解説する。
集めたデータを眺めているだけになっていないか
勘や経験だけではなくデータに基いた客観的な意思決定をおこなう「データドリブン」という考え方は、ビジネスの世界でも広く使われるようになりました。多くの企業ではデータ分析チームを組織し、データを意思決定に活かそうとしています。しかし、本当にデータによって駆動できている会社は多くありません。
データを集めても、データドリブンでない企業はそれを眺めているだけになっています。さまざまな指標を集計したり、ダッシュボードを作成したりはしますが、それで満足しているのです。データから自分たちの意思決定を改善したり、ユーザを理解したりすることができていないのであれば、それはデータドリブンとはいえないでしょう。
自分たちが重要だと考えている指標が上がったり下がったりしたとき、考えや行動はどのように変わるのでしょうか? この質問は、データドリブンな考え方をするためには非常に重要です。もし答えられないのであれば、データが組織を駆動しているとは言い難いでしょう。データドリブンな企業ではデータが意思決定を改めるのです。
優れた指標によって自分たちの意思決定が駆動されるようにしましょう。良い指標を設定することができれば、組織の意思決定は指標によって改善されるよう突き動かされていきます。では、そのような優れた指標とはどのようなものなのでしょうか? 良い指標と悪い指標の違いは? データドリブンな指標の考え方について解説します。
行動が変わらないのならば良い指標とはいえない
データドリブンな指標について抽象的にいうならば、値の変化から学ぶことができたり、行動を変えたりすることができる指標です。逆にいえば、指標を設定していてもそこから何も学ぶことができない、行動が変わらないのならば、良い指標とはいえないでしょう。
自分たちが行った施策が良かったのか悪かったのかを知ることができ、次に活かせる指標は、学ぶことができる良い指標だといえるでしょう。例えば、Web広告を改善しようとするとき、クリック率や課金率などを比べることによって、どのような施策がユーザに対して効果があるかを学習することができます。このような指標を追いかければ、施策を実験的に行い、改善サイクルを回していくことができます。
※本稿は、モダンタイムズに掲載された記事の前半部分です。
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