史上初のAI総合展示即売会「技研AIマーケット」が2月23日開催決定!
2025.01.24
Updated by Ryo Shimizu on January 24, 2025, 17:09 pm JST
2025.01.24
Updated by Ryo Shimizu on January 24, 2025, 17:09 pm JST
筆者の仕事場である「技研ベース」は、秋葉原の隣駅にあるコワーキングスペースだ。
会員はフリーランスやスタートアップのほか、パナソニックのような大企業まで様々。
色々なスキルを持った人たちが集まってわいわいがやがや話しながら、時にはコラボしたり、ただ一緒にゲームをやったりする社交場である。
以前は浅草橋駅前の1Fだったが、昨年秋から橋を一本挟んだ千代田区の東神田のビル一棟借りに昇格した。
三階建ての建物の三階部分を僕の占有スペースにしてもらって、ごく少数のスタッフと小さな事務所を構えている。
ここで数ヶ月に一度、「技研フリマ」というフリーマーケットをやっているのだが、誰かが金欠になったり、誰かが引っ越しなどでいらないものがでてきたりすると開催が打診される。極めていい加減なものだが、フリーマーケットで色々なものを売っているうちに、ついに売るものがなくなった。
そこで、自分の過去のブログを印刷したものに多少の加筆修正をして製本したものを売ったのだが、これが結構好評で、次もなにも書こうという気持ちにさせてくれる。
次は、AIで描いた漫画本を売ることにして、僕が昔書き溜めていた「宇宙の探偵 五反田三郎」という、ふざけた漫画に解説を加筆して売ることにした。ふざけた内容だが、今までに描いたページ数は300ページ近くもある。
この漫画、最初は冗談で作り始めたため、あまり製本することをかんがえておらず、なんと正方形で描いてしまった。そんな人はいないと思うが、これは最初のStableDiffusionが正方形しか出力できなかったことの名残である。
今見ると荒削りすぎるのだが、この荒削りな感じがむしろ紙に残しておきたいという気持ちにさせた。
これに、一応の「解説」を加えるのだが、いつくか解説に詰まると、ChatGPTに相談するようになった。すると今のChatGPTは非常に良くできていて、もっともらしいウソ(創作)を面白いくらいしてくれるのである。
絵も話も解説もAIと人間のハイブリッドで書かれたこの物語、自分でもどんどん引き込まれていくのがわかる。不思議なものだ。
他にも、最近はIoT系の人たちでも、OpenAIのRealtime APIとかで小さいガジェットと会話できるようになったり、M5Stack LLM Moduleのようなもので会話できるデバイスなんかが飛躍的に作りやすくなった。
そういうわけだから、Maker Faireのような、「AIに特化した展示即売会をやろう」と技研のマスター渡辺に提案したところ、やる気になってくれたので、来る2月23日に史上初のAI総合展示即売会「技研AIマーケット」を開催することになった。
短い募集期間にも関わらず、サークル参加には多数の応募をいただき、粛々と準備をしているところだ。
AIで作った作品でもいいし、AIを使った製品でもいいし、AIについて書いた本でもいい。とにかくAIに関係しているものであれば、なんでも展示即売できる、というのがこのイベントの魅力だ。
きっと楽しいイベントになると思うので、ぜひ今からカレンダーに印をつけておいていただきたい。来月頭から少しずつ出展者のインタビューなども紹介していく予定。
Xのアカウントはこちら @GikenAIMarket
この先、おそらく我々人類は、「創る」という言葉を全く別の意味で使うようになるだろう。
簡単に言えば、これまではすべて誰かの頭の中だけで考えられ、誰かの手で「創られ」てきたものが、誰かの頭で考えられたあと、AIによって拡張され、それがまたその人や他の誰かの想像力を刺激し、より豊かな表現力を多くの人が手にすることになる。これが「創る」というプロセスを根底から変えてしまうほど大きなことだということは、たとえばインターネットだとか、活版印刷だとかが与えた文化への影響力を凌ぐ可能性がある。
昔はみんなが「同じもの」を見て感動したり、考えたりしてきた。
しかし、AIがあると、「同じもの」をみることはどんどん難しくなる。AIが情報を生成する速度が、人間がそれを消費する速度を上回っているからだ。
そのような時代、AIは、実は一人一人の個性をより強く豊かに引き出す存在に変わる。AIは決して自分からコトを起こしたりすることはないが、人間がひとつのきっかけを与えられば、人間に何らかのアイデアを返してくれる。それがまた、人間の想像力を刺激して、AIとヒトが両輪となって「創る」という言葉に新しい意味を与えるだろう。
AIは表現のための最強の道具なのだ。
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登録はこちら新潟県長岡市生まれ。1990年代よりプログラマーとしてゲーム業界、モバイル業界などで数社の立ち上げに関わる。現在も現役のプログラマーとして日夜AI開発に情熱を捧げている。