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12歳でスマホ所有、うつや睡眠不足のリスク増 米1万人調査

12歳でスマホ所有、うつや睡眠不足のリスク増 米1万人調査

December 8, 2025

中村 航 wataru_nakamura

1985年生まれ。福岡県福岡市出身。翻訳者。テクノロジーやファッション、伝統工芸、通信、ゲームなどの分野の翻訳・校正に携わる。WirelessWire Newsでは、主に5G、セキュリティ、DXなどの話題に関連する海外ニュースの収集や記事執筆を担当。趣味は海外旅行とボードゲーム。最近はMリーグとAmong Usに熱中。

スマートフォンを初めて手にする年齢が、その後の子どもの心身の健康に影響を及ぼす可能性が、新たな大規模調査で明らかになった。米国小児科学会誌『Pediatrics』に掲載されたこの研究によれば、特に12歳までにスマホを所有した子どもは、それ以降に持った子どもに比べ、睡眠不足やうつ症状、肥満などのリスクが高いという結果が示されている。

この研究では、フィラデルフィア小児病院、UCバークレー、コロンビア大学などの研究者らが、全米1万人以上の子どもを対象に、スマホを持った年齢とその後の生活習慣・メンタルヘルスとの関係を調査した。その結果、12歳でスマホを所有している子どもは、そうでない子どもと比較して、うつ病リスクが1.3倍、肥満リスクが1.4倍、睡眠不足リスクが1.6倍高いことが判明した。また、より低い年齢でスマホを持った子どもの方が、これらの項目で不調を示しやすい傾向も確認された。

今回の結果はあくまで関連性を示すものであり、因果関係を断定するものではない。しかし、スマホを持つことで、夜遅くまで画面を見る習慣やSNSで他者と比較するストレスがもたらされ、うつ病や肥満、睡眠不足などのリスクを高めている可能性は十分に考えられる。

この論文の筆頭著者であるRan Barzilay氏は「スマホを持たせるのに推奨される『魔法の年齢』というものはありません」としながら、「より重要なのは、一度子どもにスマホを与えたら、それが子どもの生活習慣や幸福感(ウェルビーイング)にどう影響しているか、頻繁にチェックすることです」とコメントしている。

参照
Smartphone Ownership, Age of Smartphone Acquisition, and Health Outcomes in Early Adolescence | Pediatrics
Owning a Smartphone at Age 12 Is Linked to These Health Issues in Kids : ScienceAlert
Children who have smartphones by age 12 are at increased risk of health problems, new study finds – CBS News
Children Who Are Given a Smartphone Before Age 12 Have Higher Risk of Obesity and Depression, Study Finds

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