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米NSA、ファーウェイのネットワークに不正侵入 -胡錦濤前首席などもスパイ活動の標的に

2014.03.24

Updated by WirelessWire News編集部 on March 24, 2014, 12:46 pm JST

米国家安全保障局(NSA)が中国の大手通信機器メーカー、ファーウェイ(Huawei)やその他の中国企業、中国政府の省庁や要人などに対してスパイ活動を行っていたことが、エドワード・スノーデン(Edward Snowden)元NSA職員が新たに公開した文書から明らかになった。

この話を報じたNYTimesと独Der Spiegelによれば、NSAは2009年からファーウェイを標的とした「Shotgiant」という監視プログラムを実施し、同社と中国人民解放軍とのつながりを探ろうとしていたという。また、当時の胡錦濤首席や中国政府の対外貿易部門、中国国内の複数の銀行や通信事業者などに対しても、NSAはスパイ活動を行っていたという。

このうち、ファーウェイへのスパイ活動については、同社と取引のある顧客リスト(1400件の顧客名を含む)や内部文書が盗み出されたほか、経営幹部をはじめとする従業員の電子メールも不正にアクセスされた可能性がある。またNSAはファーウェイ製品を動かすソフトウェアのソースコードを入手し、同社製品を導入する世界各国の通信網にアクセスできるようにすることもねらっていたという。これらのネットワークのなかではとくにイランやアフガニスタン、バキスタン、キューバなどが「高い優先順位のターゲット」とされていたとNYTimesは記している。

またNYTimesによると、NSAは中国陸軍や同海軍が運営する20以上のハッキング組織についても追跡を進めていた。これらの組織は米国政府や軍需企業、グーグル(Google)などのネットワークにも侵入していたとされている。

米国政府や同議会は近年、ファーウェイやZTEの製品をやり玉に挙げ、米通信機器市場から閉めだす動きを見せていた。たとえば2012年10月には米下院諜報委員会(U.S. House of Representatives' Intelligence Committee)が、両社の製品が米国の安全保障を脅かす可能性があるとする調査報告を発表し、米携帯通信事業者各社に対して両社との取引を取りやめるよう勧告を行っていた。いっぽうNSAによる広汎な諜報活動が明るみに出た昨年6月以降は、クアルコム(Qualcomm)やシスコシステムズ(Cisco Sytems)といった米企業から、中国でのビジネスに支障が出ているとする報告も出されている。

中国では2月末に、習近平国家首席が先頭に立ち、インターネット・セキュリティ分野の取り組みを強化するための中央委員会を発足させていた。

【参照情報】
Targeting Huawei: NSA Spied on Chinese Government and Networking Firm - Spiegel
N.S.A. Breached Chinese Servers Seen as Security Threat - NYTimes
Slides Describe Mission Involving Huawei - NYTimes
NSA thoroughly hacked "security risk" Huawei, according to Snowden documents - GigaOM
China's Leaders Take Aim at Internet Security - WSJ

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