アップルでiPhoneのカメラ開発を担当していたチームのメンバーが2011年に創業したCENTR Camera社のCENTRというカメラは周囲360度の静止画や動画を撮影することができる。ドーナツ状の筐体は直径約7センチ、重さ250グラム以下で手のひらサイズ。2015年2月発売予定で価格は399ドル。
筐体には高画質カメラが4個、内角90度置きに設置されていて、四方八方を同時に撮影し、境界の部分を補正しつつ継ぎ目なく丸くつなげて360度の画像にしてしまう。デスクトップやiPhoneなどで見ることが可能。カメラを中心(center)にして周囲の人物や光景を一度に取り込むことができるから、集合写真でフレームの中に並ぶ必要はなく、CENTRが見える場所に立てば同じ写真やビデオに収まることができる。小型化できているのはスマートフォンを使って画像処理するため。
同社サイトで紹介されているのは小型飛行機の操縦席から見た光景やパラグライダーの様子、サンフランシスコの景色、開発者チームの360度自撮り(セルフィー)などだが、こうしたレジャーなどの記録以外にも、ショッピングセンターやコンベンションセンターなど商業施設の紹介、マンションやアパートなどの不動産や、ホテルの部屋の内観や窓外の光景の提示などにも使えるだろう。
CENTRの映像が周囲の光景を帯状に360度映し出すのに対して、リコーのシータ(THETA)は全天球カメラ(実売価格帯は42,000円から48,000円ほど)。こちらは2基の超広角レンズでそれぞれ前後左右180度ずつ分担して撮影し、2枚を1枚に合わせて保存する。CENTRには写らない頭上の光景が映る。形はエアコンのリモコンほどで、重さ約95グラム。手で本体を持って撮影すると撮影者の顔だけでなく、シータに向かって伸びた腕も写ってしまうが、スマートフォンのアプリでリモコン撮影ができるから、撮影者は被写体として並んだ大勢の中の一人になることもできるし、物陰に隠れて写らないようにすることもできる。
いろいろな場所に取り付けてユニークな写真を撮ることができるGoProや、撮影した後からピントを合わせる被写体を変えられるライトロ(Lytro)など、カメラはいまだにさまざまな進化を遂げつつあるようだ。
【参照情報】
・CENTRのウェブサイト
・Kickstarterのページ
・リコーのシータのウェブサイト
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