EUでFacebookの新ポリシー対応、米とのセーフハーバーなどについて活発な動きが見られる。フランスで医師会がITと医療について整理した白書が興味深い。各ニュースの詳細については、原文のリンクを参照されたい。
制度・法律
「.com」などEU圏外のドメインへの「忘れられる権利」の適用について、Google側は改めて拒否の姿勢を明確に。ネット時代の国境と法律の難しさがここにも。
EU以外のドメインでの忘れられる権利の執行をGoogleは拒否、同社のアドバイザーもこれを支持
Google advisers: Limit 'right to be forgotten' to Europe
グーグルが招聘した第三者によるアドバイザリーグループは、「忘れられる権利」の執行は欧州内に限定されるべきだという同社の考えを支持。Googleは同権利に基づく執行をEU内のドメインで検索エンジンを利用した場合に限定しているが、欧州委員会はこの措置に反対している。アドバイザリーグループは、すべてのドメインでの同権利の執行は、欧州以外のユーザーの利便性と権利を損ねることなどを理由に挙げ、Googleの現在の対応を支持している。
Facebookの包括的な新ポリシーが俎上に。Googleも長期にわたる調査の末に、EUと和解している。
EU20WPがFacebookの新プライバシーポリシーがプライバシー侵害のおそれがあると調査チームを設置
Donnees personnelles : Facebook va etre scrute de tres pres
Facebookの新しいプライバシーポリシーが、EUデータ保護指令第29条作業部会(29WP)によって調査される見込みだ。新ポリシーがEU法に違反している可能性があるためで、同様の調査はGoogleがポリシーを改定したときも行われた。29WPを構成する仏データ保護機関CINILは、すでに複数の国の当局で構成するワーキンググループを設置しており、Facebookの新ポリシーの精査を行う。
EU v.s. Facebookの記事。こちらは新ポリシーのどこが問題視されているのかまで触れている。
Facebookの新プライバシーポリシーに対してEU当局が強く懸念、Googleと同様の問題をはらむ
Facebook faces fight in Europe over new privacy policy
Facebookの新プライバシーポリシーが、ウェブの大部分でユーザーを追跡可能にすることに対して、EUのデータ保護担当者たちは問題があるとしてタスクフォースを結成した。この新ポリシーは、個人情報を企業内の各ユニット間でミックスしマッチングする点で、Googleの統一プライバシーポリシーと似ている。ウェブとアプリの両方をカバーしており、かなり広い範囲へのリーチを可能とするものだという。
先週に続いて、EU米国間のセーフハーバーに対する圧力。米国はこれをどう受け止めるのか。
FTCのレポートへの批判。全体的にはIoT推進のトーンで、健全に推進するためにファクトベースの議論を求めるという内容。
FTCのIoTレポートは雑多な意見の寄せ集め、厳密な消費者のコストベネフィット分析をすべき
The FTC report on the 'Internet of Things'
米国公正取引委(FTC)が公表したIoTに関するレポートに対して、プライバシー保護施策によって実際に消費者にどの程度メリットがあるのか分析が足りないとの批判がなされている。FTCは重要なプライバシー分野についてはデータ収集と分析の代わり、ワークショップで済ますこと多く、それではファクトが不十分だ。FTCはプライバシー問題に関して単に意見の収集ではなく、厳密なコストベネフィット分析に基づいた勧告を行うべきだ。
豪州政府が通信事業者に利用者のメタデータ保存を義務づけようとしている問題。本記事でも強い批判が展開されている。
データ保護におけるマイノリティの扱い方についてはさまざまな課題があるが、これはそもそも政府による二枚舌という問題。
調査・ユースケース
スマホのヘルスケアアプリについて一定の評価をしつつも、アプリの品質を担保するものがない状況にも警鐘を発している。