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スマートフォン出荷186%増のインド市場:それでもまだ携帯電話全体の30%程度

スマートフォン出荷186%増のインド市場:それでもまだ携帯電話全体の30%程度

Updated by 佐藤 仁 on June 5, 2014, 18:19 pm JST

佐藤 仁 hitoshi_sato

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。

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Image: Christopher.Michel (CC-BY)

2014年6月4日、IDCインドは2014年第1四半期(1~3月)におけるインドでの携帯電話、スマートフォン販売に関する調査を発表した。スマートフォンの出荷は前年同期比で186%増の1,759万台が2014年第1四半期インドで出荷された。前年同期比186%は中国でも31%であることから、世界一の伸び幅である。同時期のインドの携帯電話出荷台数は6,107万台であることから、それでもまだフィーチャーフォンの方がインドでは出荷台数が多い。

▼インドにおける四半期ごとの携帯電話・スマートフォンの出荷比率
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(IDCインド)

ノキアが健闘しているインドのフィーチャーフォン市場

2014年第1四半期(1~3月)におけるインドでの携帯電話全体(フィーチャーフォンとスマートフォン)の出荷台数は6,107万台である。日本では1年間で4,000万台弱であることから、インド市場の大きさが垣間見られる。メーカー別シェアでは以下の通りである。

サムスンとは大きな差があるものの、ノキアが2位で健闘している。但し3位のMicromax、Karbonnとも僅差であるため、抜かれてしまうのも時間の問題であろう。ノキアはまだインドにおいてブランド力があり、また販売網も充実していることから市場で受容されているが、Micromax、Karbonn、Lavaといった地場メーカーの勢いはもの凄い。これらは日本では知られていないが、インドではほとんど誰もが知っているブランドである。

▼2014年第1四半期(1~3月)におけるインドでの携帯電話全体のメーカー別シェア
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(IDCインド発表資料を元に筆者作成)

サムスンと地場メーカーが強いインドのスマートフォン市場;200ドル以下のスマートフォン人気

インドの2014年第1四半期におけるスマートフォン市場は186%増の1,759万台と大きく成長している。特にインド市場向けに200ドル以下の端末の人気が高く、スマートフォン出荷全体の78%が200ドル以下で、スマートフォン拡大に大きく寄与している。各社が100~200ドル程度の端末をインド市場に投入している。それらはインド市場のニーズに応じて、「Dual SIM対応端末」も多い。ローエンド端末なので決して利益率は高いとは言えないが、それでもボリュームが期待できることから多くのメーカーが進出している。

インドのスマートフォン出荷は携帯電話全体の出荷から見ると、まだ30%弱であり、これからも大きく成長することが期待される。一方で、地場メーカーの台頭も著しく、競争も相当に激しい市場である。

▼2014年第1四半期(1~3月)におけるインドでのスマートフォンのメーカー別シェア
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(IDCインド発表資料を元に筆者作成)

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【参照情報】
India Continues As One Of The Fastest Growing Smartphone Markets In Asia Pacific In 1Q 2014, Says IDC

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