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失業エンジニアを救うのは中国企業

2012.12.11

Updated by Mayumi Tanimoto on December 11, 2012, 05:06 am JST

欧州では先週中国の通信機器大手Huawei(華為)が、フィンランドの首都ヘルシンキの研究所に今後5年間に7千万ユーロ(約70億円)を投資することを発表したのが話題を呼びました。

フィンランドではスマートフォン、ソフトウェア、アンドロイドやWindows Phone 8標準の携帯開発に注力し、約100名を雇用する予定です。これは同社が前世界で技術研究に関与する社員を7万名にまで増やすという戦略に沿った物であります。同社は現在欧州で約7千名を雇用していますが、今後は技術開発関係以外の社員も増えるかもしれません。

同社はイギリスでも大躍進であります。イギリスでは現在約700名を雇用していますが、1500人に増員する予定です。今年の9月には13億ポンド(約1700億円)をイギリスでのビジネスに投資することを発表しています。

同社が中国以外で技術研究開発に投資し、現地でエンジニアを雇用する理由は、現地でビジネスを展開したい、という理由もありますが、「中国国内だけでは、携帯や通信ビジネスをやっていくにあたり、十分な数の優秀な人材を確保できないから」の様であります。しかし、フィンランドやイギリスにこれだけ投資をして、現地の人をこのようなスピードで雇うというのは、なかなか大胆でありますね。

社長の任 正非(にん せいひ、Ren Zhengfei)さんが、元々人民解放軍出身だったということもあり、ZTEと一緒になって「お前らスパイなんじゃないの」とアメリカやヨーロッパで散々疑われておりますが、失業率がぐんぐん上がっており、通信業界でもエンジニアが失業していたりするイギリスでは救いの神であります。あの、外人などクソと思っているキャメロン首相が「へっへっへへ」と揉み手しながら社長と会見してましたからね。大した物です。

日本の通信業界も「公平性の確保が。。。」「ガラパゴスだが凄い、どや!」とブツブツ自己満してないで、もうちょっとこういう中華料理並みのスピードを見習った方がいいんじゃないでしょうかね。良さげなエンジニアは根こそぎ持って行かれてしまうかもしれません。残るのはどう考えても歯クソだけです。

日本の外では皆さん会社名なんか気にしません。気にするのはいくら貰えるかですからね。中国だろうが、韓国だろうがインドだろうが日本だろうが、家賃さえ払えればいいんです。

こっちでは、どこの会社に勤めてるかより、沢山稼いでるオッサンの方が金髪美女にもてるんですよ。ええ、世の中は金ですから。

家賃払えなくなったら妻も「師ねこのゴミ!」と豹変して殴られて終了です。(イギリスは女の方が強いんです)

「社内英語公用語化でグローバル人材ゲッッオオオ!」と吠えている会社も、まず公用語化云々の前に「どや!これだけゼニ出すわ!!」と、良さげな人に小判でも投げつけるのがいいかもしれませんねえ。

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。