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食でクールジャパンといっても外国では勝手に進化している件

食でクールジャパンといっても外国では勝手に進化している件

Updated by 谷本 真由美 on April 22, 2013, 07:57 am JST

谷本 真由美 mayumi_tanimoto

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。

先週はカナダにいたわけですが、カナダもヘルシー志向でありまして、どこにいっても低脂肪の代表であるスシが人気であります。イギリスやイタリアでも人気でありますが、ヨーロッパははやり物というのが北米に比べると何でも15年は遅れておりますので、カナダに比べると売っている所が少ないのであります。

さて、そのカナダのスシでありますが、わりとマトモです。なぜマトモかというと、カナダの東の方にはフランス人をご先祖とするフランス系の方々がおり、フランス系の人々がスシ屋をやっているからです。

ご先祖の遺伝子がそうさせるのかどうかわかりませんが、そのフレンチカナダ系のスシ屋というのは、なんだかアンニュイにオサレな感じで、味もまあまあであります。まあ、どんな感じかというのは写真を見てやって下さい。

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アメリカだとスシといいつつ「握り飯に生か何だか謎の魚」がのっかっている物体だったりするわけですが、一応美しいです。こういうの日本でパクってやったらどうですかね。欧州式スシとか言ってですね。ぐるぐるスシにも飽きてる方が多いみたいなので、よさげです。

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しかしですね、こういう「斜めの方向」に進化している物もみつけたわけです。新作です。新作スシピザ。上げた米の上に具が載っております。結構食べている人がおりました。人気です。これじゃ痩せないだろうカナダ。

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さらにスシデザートなるものも。何だろうこれは。。。

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というわけで、比較的正常な人が多いカナダでさえも、「斜めの方向」に進化したジャパニーズフードが受けるわけです。

いいですか、皆さん。最近クールジャパンとかおもてなしとか伝統文化とかクリエーターは無償労働しろとかなめ腐ったことをいっている方々がおりますが、ガイジンが欲しい「クールジャパン」はこれなんですよ。

茶の湯とか生け花とか浮世絵とか、そんな爺さんが喜びそうな物は期待してないわけです。(大体日本人だってそんな物は興味がない)

欲しいのは自分が欲しい形で加工された「狂うジャパン」、つまり、スシピザであり、しゃべる温水便器であり、こんにゃくゼリーで窒息死する人であり、金髪でフィリピンで格闘する白装束のニンジャ、なわけです。ガラゲーとかいらないわけです。いいですか、韓国政府は金を使いまくって全国に「美しきコリア」を宣伝しようとしましたが、世界が欲しかったのは、本質的な部分でどこの人もノレてしまうあの曲を歌うが、アジアのオッサン顔がキワモノ感をかもしだしているPSYなのです。

つまり、日本がAKB48を売りたいと考えていても、ガイジンに受けるのは、本質的な歌唱力とユニークさがある冠二郎とか美川憲一かもしれないね、ということなわけです。

そしてこれはサービスにおいてもモバイルデバイスにおいても同じだということです。本質があって、なおかつ、キワモノ的な面白さがあるものです。

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