先日、ロンドンのIT業界で20年ぐらいノマド(個人事業主やインデペンデントコントラクター、フリーランス)をやっている方とお茶を飲んでおり、ノマドはどのぐらい稼げるのかしら、というお話しになりました。
このベテランの方の場合、最高に稼いでいた時で日給£800ー1000とのお話でした。日本円にすると日給12万円から15万円。しかし、景気が悪くなると企業側もお金を渋るので、この方の様なベテランでも日給£200-300になってしまうことがあります。それでも日給3万円から4万5千円ですね。まあまあの支払いの場合は£400−600ぐらい。日本円だと日給6万円から9万円。
つまり、一ヶ月23日働くとすると、月収70万円から350万円ぐらい稼げるというわけです。一年のうち11ヶ月働くとして、年収にすると、770万円から3800万円。うーん最低の金額だとしても悪くないですね。中間ぐらいでも年収1500万円越えます。これならどこかの会社で管理職をやって、部下の管理やら社内政治で心身すり減らすのがバカらしくなりますね。
最近は技術者がやる仕事を賃金の安いオフショアに出して安く上げているというお話もありますが、どの業務も激安オフショアに投げられるわけではないし、オフショアの管理も大変なのでロンドンにもまだまだお仕事はあるというわけです。
ちなみに、ノマドの皆さんは個人事業主として会社と直接契約している場合もありますが、有限会社を作って会社対自分の有限会社という風に契約している場合もあります。お客さんからの支払いが年に£25,000ぐらい(370万円程度)越えると有限会社にする場合が多いです。
また、エージェンシー経由で仕事を受けている場合もあります。エージェンシーとは日本における派遣会社みたいなものなのですが、ここが中抜きするのは10−20%ぐらいで、顧客企業との交渉やら事務やらをやってくれます。
日本だと会社を作るとか、個人事業主になるというと、なんだか仰々しい感じがしますが、ここではごくごく当たり前のことで、そこいら中に有限会社を持っている個人事業主の技術者さんがおられます。あくまでお客さんから報酬を受ける仕組みの一つに過ぎないので「起業!」「人生かけてます!」などということを言う方はおりません。
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登録はこちらNTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。