WirelessWire News Technology to implement the future

by Category

イスラエルのスタートアップ企業Iway Mobile社が車載用オンライン・インターネット・アクセス機器を発表した。名称はコモド(COMODO)コンソール。4.3インチのタッチスクリーンで操作する。ナビゲーション機能のほか、レーダー探知機能、音楽プレーヤー、スピーカー、マイク、USBポート、カメラ(背面)など持つ。安全のため運転中にはビデオを消し、テキスト入力はできなくなるが、電話の着信はできるし、着信ショートメッセージを読み上げてくれるそうだ。搭載アプリケーションはすでに100種類ほどあり、どれも2クリック以内で起動する。

▼COMODOコンソール
COMODO1.jpg

運転中の受信データの表示などに工夫が必要なことから、ブラウザは搭載せず、独自のUI経由で操作、表示する。月額の利用料は20ドル程度になりそうだとのこと(3年契約)。ただし、音楽受信サービスを外せば、もっとずっと安価な料金を設定できるらしい。逆に言えば、音楽コンテンツのっ充実度には自信があるようだ。売るのはIway Mobile社ではなく、携帯事業者になる。

▼COMODOコンソール
COMODO2.jpg

まずは2月中にイスラエルのモバイルオペレータCellcomと共同で国内販売を開始するが、他国のオペレータとも協議中で、フランス、ロシア、中国など欧米やアジア展開も視野に入っているとのこと。SFR、MTS、チャイナモバイルと、具体的なキャリア名も挙がっている。COMODOコンソールはすでに20ヶ国語に対応済み(日本語には対応していない)。Iway Mobile社は2011年中にIPO(株式公開)を予定していると伝えている記事もある。

COMODOコンソールは、安全への配慮や、オペレータとの提携、どんな車にも装着可能で、音楽、ビデオ、その他のエンターテイメント系コンテンツの充実度など全てを兼ね備えている点では世界一で前例のない製品なのだそうだ。Cellcomは、「世界最初の自動車向けの完全なコミュニケーション、インターネット、エンターテイメント・システム」と言っているらしい。しかし、Andoridなどスマートフォンがカーナビ機能を充実させている中で、安全面の配慮などをAndroidアプリとして実装すれば、普段使いのスマートフォンを自家用車のダッシュボードに装着するだけで事足りてしまう可能性もあると思われる。

MWC2011には多くの企業が位置情報サービス(LBS)を展示していて、精度、画面解像度、3Dの表現力、周辺情報やナビゲーションの正確さを訴え、ソーシャルとの融合で差異化を図ろうとしている企業もある。ほとんどがAndroidなどのスマートフォンを活用している中、敢えて車載専用機を展示した、docomoのアナグラムでもあるCOMODOに目を惹かれた。

▼展示ブースは「バルセロナNo.1のバー」と銘打ったゴージャスなブース
COMODO3.jpg

Cellcom and Iway launch Internet system for cars(Reuters記事)

文・幸野百太郎(テレコム分野の仕事に従事)

WirelessWire Weekly

おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)

登録はこちら