機能を解説したムックが何冊も発行されるほどNTTdocomoが力を入れているサムスンのGALAXY S IIIは、端末を耳に当てると電話の発信ができるダイレクトコール機能や画面を見ている間はディスプレーがオフにならないオートステイ機能などのほか、特に日本ではシリーズ初となるおサイフケータイ対応が注目されている。世界的にも人気の高い同機は、欧米や韓国では健康管理のハブとしても利用されるようになる。
まず、イギリスのGALAXY S IIIユーザ向けに提供が開始されたアプリ「Sヘルス」は、血糖値、体組成計や血圧計の測定値をBluetoothやUSBでスマートフォンに取り込んで表やグラフに変換する。食事やエクササイズ内容、服薬などは手入力になるが、こうした健康管理関係の情報を集約して利用者が自分の状況を確認できるようになるほか、FacebookやTwitterで他者とも自分の状況を共有できる(ヘルスケアにソーシャルを組み込むということであろうが、人々が友人知人と体脂肪率を競い合ったりするものなのかは不明)。
アメリカではこの種のアプリは医療機器などを規制するFDA(連邦食品医薬品局)のクラスⅠ(生命に大きな影響がない)として登録された上で提供を開始することができる。ただし、FDAの規制対象となるデバイス(計測器)からのデータをアプリ側で解釈せず、そのまま表示することが条件となる。
対応可能な計測器はオムロンやA&Dの血圧計のほか、Lifescanの血糖値計など特定の機種。イギリスの後、アメリカ、ヨーロッパ各国、韓国本国での展開が予定されているが、日本展開については何も言及されていない。
GALAXY S IIIとSヘルスが実現する機能にはそれほどの新規性は感じられないものの、アップル以外のスマートフォン・メーカーが新製品の主要な機能としてヘルスケア対応を謳ったということで注目されているようだ。
【参照情報】
・Samsung joins the health app market with S Health for the Galaxy S3
・Verizon Wireless, Samsung tout mobile health apps, devices
・Samsung launches S Health services: Monitors weight, blood sugar and graphs it all
・Samsung S Health for Galaxy S III goes live
・Samsung Introduces S Health Application for GSIII<プレスリリース>
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