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[2016年第8週]イオンがMVNOに本格参入、Apple Research Kitを使った臨床研究スタート、IBM Watson日本語版提供開始
2016.02.24
Updated by Asako Itagaki on February 24, 2016, 12:34 pm JST
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2016.02.24
Updated by Asako Itagaki on February 24, 2016, 12:34 pm JST
翌週にMobile World Congressを控えたこの週、国内ではMVNO関連の動きが大きい1週間だった。
イオンが本格的にMVNO事業に参入する。従来から店頭では「イオンモバイル」の名称で販売代理店としてMVNOのSIMを取り扱ってきたが、2月26日からイオンリテールが自らMVNO事業者となりNTTドコモのLTE網を利用したサービスを提供する。最安の1GBのデータプランで、月額480円。音声プランは500MBで1180円からで、解約時違約金等は無し。店頭でのアフターサポート受付や電話相談対応など、「格安SIM」の本命が本気を出してきた。(報道発表資料 2月26日イオンモバイルが変わる!MVNO事業者として新たなサービスを開始します )
UQコミュニケーションズは2016年2月15日、モバイル通信サービスを提供するUQ mobileの新プランとして「ぴったりプラン」を発表した。データ通信料金や通話料金、特定のアプリ利用料、端末代金などを含めて、月額2980円から利用が可能だ。2月19日から提供する。(関連記事:UQ、データ容量と無料通話を含む月額2980円からの「ぴったりプラン」を提供)
四国電力グループのSTNetとケーブルテレビ徳島がau回線とドコモ回線から選べるMVNOサービスの提供を開始した。ケーブルテレビトクシマのサービスエリアでは「テレビトクシマ・スマホ(トクスマ)」、それ以外のエリアでは「Fiimo(フィーモ)」としてサービスを提供する。(報道発表資料:STNet/ケーブルテレビ徳島)
トーンモバイルは2016年2月17日、スマートフォンサービスの「TONE」の健康管理サービスを強化することを発表した。
東京都健康長寿医療センター研究所 老化制御研究チーム副部長で医学博士の青栁幸利氏の監修により、TONEユーザーに健康管理に適切な運動を促進するサービスである。(関連記事:トーンモバイル、「1日8000歩、20分」でTポイントが貯まる健康管理サービスを提供
NTTドコモは、複数ベンダーのEPCのソフトウェアを動作可能なネットワーク仮想化技術の開発を完了した。
既にネットワーク仮想化技術を適用した商用ネットワークでの通信に成功しており、2016年3月から運用を開始する。(関連記事:ドコモ、マルチベンダー環境のネットワーク仮想化技術を開発完了 2016年3月に商用化)。
順天堂大学は、Apple Research Kitを用いて、ロコモティブシンドローム(運動器症候群・ロコモ)、パーキンソン病、ぜんそくを対象にしたアプリを開発し、臨床研究を開始する。ロコモティブシンドローム用のアプリ「ロコモニター」は、「立ち上がりテスト」・「2ステップテスト」の3種類のロコモ度テストをアプリ上に完全再現し、またiPhone内臓のセンサーで日々の運動状況をモニタし関連付けることで運動状況とロコモ度の関係を幅広い層で把握する。パーキンソン病用のアプリではパーキンソン病患者の運動機能と睡眠を調査する。ぜんそくについては、アンケートによるぜんそく実態調査とセンサーによる気圧情報により、気圧とぜんそく症状の関連を調査する。(報道発表資料:Apple ResearchKit(iPhoneアプリ)を用いた臨床研究について)
NTTドコモは、福岡大学などと協力して、上海でセルフ健康検査の実証実験を3月31日から行う。病院の受診要否を判断するためのセルフ健康検査が行える「ネットワークヘルスキオスク」に、ドコモが開発した呼気計測装置を実装し、病気予防や早期発見に対する有用性などを検証する。(報道発表資料:上海におけるセルフ健康検査の実証実験を開始)
NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は、IoT活用・IoTサービスの信頼性・安全性・経済性・効率性を高めるための技術検証環境「グローバルクラウドIoTテストベッド」の運用を2月18日から開始した。IoT関連の技術、製品を保有する国内外のハードウェア・ソフトウェアベンダー、SIerなどがアライアンスを組み参加。NTT Comは参加期間中同社のクラウドサービス「Enterprise Cloud」とグローバルVPN「Arcstar Universal One」を無償貸与し、それらと各社の最新の技術・製品・サービスを組み合わせて実装に取り組みます。これにより、相互接続性、動作安定性、処理性能、データ解析精度、運用性などを評価検証する。具体的には、プロトコル変換ゲートウェイを用いたWANとLANの接続テスト、他拠点大量データの伝送およびリアルタイム処理性能テスト、エッジコンピューティング技術実装テスト、各種API活用のための開発手法検証などに取り組む。(報道発表資料:IoTの実用化を加速させる技術検証環境 「グローバルクラウドIoTテストベッド」の運用を11社で開始)
日本IBMとソフトバンクは2016年2月18日、コグニティブコンピューティングプラットフォームの「IBM Watson」の日本語版を提供開始したと発表した。まず自然言語処理や音声など日本で利用する際に求められる6つのAPIを日本語版として提供する。
日本IBMは、2015年2月にソフトバンクと戦略的提携を行い、IBM Watsonの日本語版の開発を進めていた。(関連記事:IBM Watson日本語版、アプリ開発に使える6種類のAPIを用意して提供開始)
AI関連の新技術。富士通研究所は、振動が激しく人による判別が困難な時系列データに対して、高精度な解析を可能とするディープラーニング技術を開発した。
データを図形に変換して特徴を取り出す手法によるもので、既存手法と比較して、人の運動行動の分類においては25%、脳波からの状態推定では20%の精度向上を達成している。(関連記事:ディープラーニング技術で時系列データを高精度に分類 富士通研究所が開発)
その他のニュースをピックアップ。
KDDIが保険に参入。2016年4月よりパートナー企業を通して「auのほけん・ローン」の提供を開始する。au IDのプラットフォームを活用して、金融商品「auの生命ほけん」、「auの損害ほけん」、「auのローン」を提供する。(報道発表資料:ネットの革新性とリアルの安心が融合した新しい金融サービス「auのほけん・ローン」はじまる。)
ビジョンは2016年2月16日、同社が提供する海外用モバイルWi-Fiルーターのレンタルサービス「グローバルWiFi」で、空港で人手を介さずにルーターを受け取れる「スマートピックアップ」の提供を始めると発表した。エスキュービズム・テクノロジーが開発したIoTソリューション「スマート宅配BOX」を利用する。事前の宅配便での受け取りや空港のカウンターでの手続き待ちなどが発生せず利便性が高まる。(関連記事:グローバルWiFi、空港でルーターを無人で受け取れる「スマートピックアップ」に対応)
Bluetooth SIGは、Bluetooth対応機器をクラウドに接続できるBluetoothゲートウェイのアーキテクチャーを策定し、開発者向けに、標準的な開発ツールとなる「The Bluetooth Internet Gateway Smart Starter Kit」の提供を開始した。スマートフォンを介さず直接Bluetooth対応センサーをクラウドに接続することができるようになり、IoTソリューション開発の自由度が高まる。(報道発表資料:Bluetooth SIG Announces Architecture to Connect Billions of Devices to the IoT)
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登録はこちらWirelessWire News編集委員。独立系SIerにてシステムコンサルティングに従事した後、1995年から情報通信分野を中心にフリーで執筆活動を行う。2010年4月から2017年9月までWirelessWire News編集長。「人と組織と社会の関係を創造的に破壊し、再構築する」ヒト・モノ・コトをつなぐために、自身のメディアOrgannova (https://organnova.jp)を立ち上げる。