イラストで読み解く物理学と高エネルギーと宇宙の最先端
The cutting edge of physics and high energy learned from illustrations
2022.06.03
Updated by Schrodinger on June 3, 2022, 14:16 pm JST
The cutting edge of physics and high energy learned from illustrations
2022.06.03
Updated by Schrodinger on June 3, 2022, 14:16 pm JST
東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)の使命は、「宇宙の最も深淵な謎を解く」ことにあります。私たちの生活には全く役に立たないこと請け合いです。しかし、ここまで徹底的に役に立ちそうもないと、政府も「よく分からん研究だけど、大切なのかも」と判断し、WPI(世界トップレベル研究拠点プログラム)としての支援の延長が行われていたりします。「政府は、基礎研究の重要性を十分理解している」というメッセージを強く押し出すにはうってつけの研究内容なのかもしれません。
春山先生は、この機構で副機構長・事務部門長の要職にある高エネルギー物理学の専門家ですが、実はイラストを描くのが大好きなのだそうです。物理学の世界に広がる意味不明な言葉や現象を分かりやすいイラストで描いてくれるのです。このページでは「アインシュタインが、特殊相対性理論、光量子と光電効果、ブラウン運動、という3つの鍵となる理論で20世紀の物理学の扉を開いた」ことを指し示すものと、ご自身のイラスト(この程度のものであれば職場についてから仕事を始める前の10分で描いてしまうのだそうです!)をお借りしました。
しかし、フェルミ粒子系やビッグバン10マイクロ秒後の世界、あるいは暗黒物質のようなものは、イラストで描けるようなものなんでしょうか。今回の「シュレディンガーの水曜日」は、春山先生が得意のイラストを駆使しつつ、私たちを宇宙と高エネルギーの不思議な世界に誘う夜話になります。(竹田)
春山富義(はるやま・とみよし)
慶應義塾大学工学部卒業後、1985年高エネルギー物理学研究(KEK)助手、2003年高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核研究所教授、2010年-12年同副所長を務める。1990年-92年英国サウザンプトン大学・低温研究所訪問研究フェロー。2013年から東京大学・国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構特任教授。世界トップレベル研究拠点(WPI)の副機構長・事務部門長を務めている。KEKサマーチャレンジ校長、低温工学会長、国際低温工学委員会委員長、国際学術誌Editorなどを歴任。アジアサイエンスキャンプ国際委員。
・日程:2022年6月8日(水曜)19:30から45分間の講義(その後、参加自由の雑談になります)
・Zoomを利用したオンラインイベントです。申し込みいただいた方にURLをお送りします。
・参加費:無料
・お申し込み:こちらのPeatixのページからお申し込みください。
「シュレディンガーの水曜日」は、毎週水曜日19時半に開講するサイエンスカフェです。毎週、国内最高レベルの研究者に最先端の知見をご披露いただきます。下記の4人のレギュラーコメンテータが運営しています。
原正彦(メインコメンテータ、MC):東京工業大学・物質理工学院・応用化学系 教授
1980年東京工業大学・有機材料工学科卒業、1983年修士修了、1988年工学博士。1981年から82年まで英国・マンチェスター大学・物理学科に留学。1985年4月から理化学研究所の高分子化学研究室・研究員。分子素子、エキゾチックナノ材料、局所時空間機能、創発機能(後に揺律機能)などの研究チームを主管、さらに理研-HYU連携研究センター長(韓国ソウル)、連携研究部門長を歴任。現在は東京工業大学教授、地球生命研究所(ELSI)化学進化ラボユニット兼務、理研客員研究員、国連大学客員教授を務める。
今泉洋(レギュラーコメンテータ):武蔵野美術大学・名誉教授
武蔵野美術大学建築学科卒業後、建築の道を歩まず、雑誌や放送などのメディアビジネスに携わり、'80年代に米国でパーソナルコンピュータとネットワークの黎明期を体験。帰国後、出版社でネットワークサービスの運営などをてがけ、'99年に武蔵野美術大学デザイン情報学科創設とともに教授として着任。現在も新たな表現や創造的コラボレーションを可能にする学習の「場」実現に向け活動中。
増井俊之(レギュラーコメンテータ):慶應義塾大学環境情報学部教授
東京大学大学院を修了後、富士通、シャープ、ソニーコンピュータサイエンス研究所、産業技術総合研究所、米Appleにて研究職を歴任。2009年より現職。『POBox』や、簡単にスクリーンショットをアップできる『Gyazo』の開発者としても知られる、日本のユーザインターフェース研究の第一人者だがIT業界ではむしろ「気さくな発明おじさん」として有名。近著に『スマホに満足してますか?(ユーザインタフェースの心理学)(光文社新書)など。
竹田茂(司会進行およびMC):スタイル株式会社代表取締役/WirelessWireNews発行人
日経BP社でのインターネット事業開発の経験を経て、2004年にスタイル株式会社を設立。2010年にWirelessWireNewsを創刊。早稲田大学大学院国際情報通信研究科非常勤講師(1997〜2003年)、独立行政法人情報処理推進機構・AI社会実装推進委員(2017年)、編著に『ネットコミュニティビジネス入門』(日経BP社)、『モビリティと人の未来 自動運転は人を幸せにするか』(平凡社)、近著に『会社をつくれば自由になれる』(インプレス/ミシマ社)、など。
おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)
登録はこちらオンラインイベント「シュレディンガーの水曜日」の運営事務局です。東京工業大学・物質理工学院・原正彦研究室の協力の下、WirelessWireNewsが主催するオンライン・サイエンスカフェです。常識を超えた不思議な現象に溢れた物質科学(material science)を中心に、日本の研究開発力の凄まじさと面白さを知っていただくのが目的です。