研究開発には、線形(linear)な価値を進化させるタイプと、非線形(nonlinear)な探索を繰り返すタイプがあります。自然界に存在する物質や現象には、ハードウエアとソフトウエアの区別のない知性とも呼べる情報処理能力と計算可能性を秘めていることを感じながら、我々は未だにそこに踏み込む取っ掛かりの所で躊躇している感が否めません。
2024.11.13
通信や電力、物流などの社会インフラ系サービスが報われにくいのは、途中(発電所や送電線、あるいは基地局など)でどんなに高度な技術を駆使していても、消費者はラストワンマイル(Last one mile:顧客と直接つながる区間)の品質だけで全てを判断してしまうことにあります。
電子立国ニッポンを経験していない若いリサーチャ/エンジニアが、新材料、パッケージング技術、スピントロ二クスなどを駆使し、全く新しい時代の半導体の研究開発に着手しています。
2024.11.12
11月23日(勤労感謝の日)に開催される「物質知性と共に育むサステナビリティ価値創造」のセッション3では、“データ”そのものを導く過程に先立つプロセスとしての「観察/測定すること」の喜びを改めて見直してみたいと思います。
2024.11.08
今、材料にも臨機応変さという知性を見いだし活用しようとする流れが生まれつつあります。同じ刺激を与えれば同じ反応を返す従来型のモノづくりに留まらず、同じ刺激でも状況に応じて異なる反応を返す材料開発・モノづくりの研究が進んでいるのです。さて、これを材料の知性と言い切っていいのでしょうか。
2024.11.07
Zoomなどでのオンラインミーティング終了直後に、スマホにかかってきた電話で相手と話しをしていると、先ほど終了したばかりの「映像と音声を駆使したミーティング」に比べ(姿は見えないのに)むしろ話し相手がとても身近に感じられる、という経験を皆さんお持ちだと思います。
2023.03.24
「データに基づく経営」で注意すべきは、それが「集めることができた元データだけで構成される(閉じた)世界観」が前提になっていることだ。その世界の規則性や傾向を演算することになるので、当然のことながら演算を施している現在から観測すれば、これは「古い世界観の傾向を見る」ことになる。閉じた系において拡大再生産すれば良いだけのビジネスであれば極めて有効な手段だが、このデータの分析結果に新規事業の可能性を探らせるのは難しい。新規事業はそもそもデータが存在しないことが前提になっているからだ。
2022.04.22
SNSなどで、他人のボヤキやつぶやきに反応していちいち感情を発露させているのは、どう考えても時間の無駄である。その分、沈思黙考すべき時間が減っているはずだ。「みんながメディアになる時代」に重要なリテラシーは、「自分をメディア化する方法」ではなく、下らないものから自分を遠ざけるための技法や態度、ということになる。
2022.01.24