反東京としての地方建築を歩く01「現代建築のまち、黒部」 2019.05.07 建築の世界で起きている「反東京」 現在、日本の建築は世界的に高く評価されている。建築界のノーベル賞と言われるプリツカー賞では、2019年3月に磯崎新が選ばれ、この10年で実に4組もの日本人建築家が受賞した。通算では、日本 […]
和力表現事典04「リズム」 2019.04.12 ヴィジュアル・ポエトリーを追求している詩人、松井茂さんは「型」にこだわる詩人として知られている。型に沿いつつ新しい表現を見せてくれるのが松井流。その松井さんに〈★〉(2003)という短歌を擬した、奇妙な詩がある。詩を図形的に見るという意味での「視覚詩(ヴィジュアル・ポエトリー)」のひとつだ。
エリートと教養 2 大正教養主義と藤村操 2019.04.03 前回はエリートの原点とでも言うべき論点を考えてみました。今回は、教養ということになりますが、これは一筋縄ではいかない。そもそも「教養」という熟語は、漢語としては已に『後漢書』に現れると言いますが、文字通り「教え育てる」ことの意でありました。
和力表現事典03「手触り」 2019.03.08 インターネットの発達のせいか、紙の本や新聞はもうおしまいだ、書店がつぶれる、という話がひんぱんに聞かれるようになって10年近く経つ。そんなとき、紙の本のよさとして必ず語られることがある。それは、紙の本には、モノ(物体)感があり、それを支えている要素のひとつが紙の手触りだ、ということ。
エリートと教養 1 <Noblesse oblige>高貴なる者の義務 2019.03.07 エリートも教養も、日本社会では揶揄や蔑視のニュアンス抜きで語ることのできない概念と言えます。一人称の文章、つまり「私は、」に導かれる肯定的文章の用言に、「エリート」が入ったり、「教養人」が入ったりすれば、これは、噴飯ものだろうし、二・三人称で同じ形容を試みたとしても、何がなし、棘が含まれているようで、使うのに躊躇いがあり、言った後では、慌てて、貶める意味ではないことの弁解を付け加えたりする習慣ができてしまっているように感じます。
和力表現事典02「奥」 2019.03.01 日本語で「奥(おう、おく)」がつくことばを探してみると、「奥地・奥処・奥所」に代表される「深い・最果て・行く末」という意味で使っている場合が多く見つかる。たとえば、日本列島の「奥深い」ところとして「奥州・奥羽」という具合。
スーパー書評「漱石で、できている」1夏目漱石『虞美人草』 大人の世界を知る一歩 2019.02.25 最初の試みとして、何を取り上げようか、かなり迷ったのですが、結局漱石の、しかも表題作に落ち着きました。繰り返し、色々な機会に触れてきましたように、私という人間の相当部分は、漱石によって出来上がっていると言えます。
和力表現事典01「動き」 2019.02.06 日本のマンガは、いつのころからか世界中で人気となっている。里中満智子さんによると、1970年代、日本の出版社が、日本のマンガをアメリカに売り込もうとしたころは、モノクロで、情けない話が多く、つまらないし、これは「コミック」ではない、とアメリカの出版社に言われたそうだ。
A-2 必要なのは「教科書」ではなく「副読本」である 2019.02.01 小説家の橋本治さんが1月29日に亡くなられました。 追悼の意を込めて、2017年4月に収録された橋本治さんの映像講義を無償公開いたします。 心から橋本治さんのご冥福をお祈りします。 (スタイル株式会社) 試行錯誤と恥をか […]
B-1「女帝の時代」をみれば現代の日本がわかる 2019.02.01 小説家の橋本治さんが1月29日に亡くなられました。 追悼の意を込めて、2017年4月に収録された橋本治さんの映像講義を無償公開いたします。 心から橋本治さんのご冥福をお祈りします。 (スタイル株式会社) 現代社会を規定す […]