シード・プランニングは2010年6月18日に、携帯電話流通の現状と将来動向の結果を発表した。携帯電話の販売チャネルは、併売店が急速に減少する中、キャリアショップと量販店の2分化傾向が鮮明になってきている。
2009年度の携帯電話販売チャネルは、販売台数ではキャリアショップ65%、量販店・併売店・混売店25%、直販等10%となっている。販売店数では、キャリアショップ59%、量販店・併売店・混売店41%。携帯電話上位・有力代理店30社は、キャリアショップが1年間で635店増加し、4,703店となる一方、併売店は716店減少して82店となった。
▼図1 販売チャネル別販売台数シェア(2009年度)
携帯電話販売台数は2009年度3,857万台。対前年比4.7%減少する中で、携帯電話上位・有力代理店30社は、2009年度2,219万台を販売、全国シェア57.5%になっている。前年度より2.5ポイント増加している。57.5%の内訳は、上位代理店10社が販売台数の47%を、それ以外有力20社が10.5%を占めている。
上記30社は、携帯電話売上高は2009年度1兆7,204億円、対前年比11%増、営業利益率は2.9%、対前年比0.4ポイント増加で、増収増益になっている。2009年度増収増益の要因としては、規模の集中、ショップへの来店増対策、販売促進を進めたこと、故障修理・アフターサービス、手数料増収に努めたこと、経費削減(店舗リニューアルの先延ばしを含めて)及び不採算店の閉鎖などに努力したことが挙げられる。
▼図2 携帯電話販売台数とシェア(2008年度、2009年度)
2009年度携帯電話販売市場は、iPhoneが約170万台という好調な販売もあり、スマートフォン市場が約240万台と伸長している。国内メーカーの販売台数は減少したが、海外メーカーは前年の10%から約15%シェアへ増加している。
2010年度の携帯電話販売市場は、3,920万台〜4,000万台、このうちスマートフォンは約440万台(対前年比1.8倍)が見込まれる。
携帯代理店においても、スマートフォン/オープン端末への取り組み、及びデータ通信カード等の販売が重要となっている。この他にも、SIMロック解除(SIMフリー)への取り組み、法人営業強化等が重視されている。
2010年3月〜2010年6月に実施したキャリア・代理店各社ヒアリング調査、及び各種情報収集分析による。
【情報ソース】2010年6月18日のシード・プランニングのプレスリリース
・携帯電話流通の現状と将来動向がまとまりました。
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