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ベトナムの電気通信業界、外資を30%まで受け入れへ

2010.07.02

Updated by WirelessWire News編集部 on July 2, 2010, 12:00 pm JST

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(cc) Image by Emilio Labrador

ベトナムの情報通信省(MIC(Ministry of Information and Communications))は、電気通信事業者に対する外資規制を緩和して30%までの出資を認めるよう、電気通信法(Telecommunications Law)改正を8月に議会に提案する。これにより急成長中の携帯電話市場がさらに活性化すると期待されている。ベトナムは2007年に世界貿易機関(WTO)に加盟しており、それまで保護してきた通信、運輸などの分野での規制緩和をWTOに約束している。今回の動きもこの一環の措置と見られる。

現在、ベトナムの電気通信事業に参入するにはBCC(Business Cooperation Contracts)を通じ、政府の認可を得た上で、ベトナム国内の既存の事業者と共同で事業を行い、事業損益を分配(いわゆるレベニューシェア)する形態しか認められていない。外資から見て、ベトナムで可能な投資形態は、(1)ジョイントベンチャー設立、(2)100%出資、(3)BCCの3つがあるが、電気通信の場合はBCC、すなわち「ベトナム当事者との協力契約による事業」が求められていた。

例えば、日本からは1996年にNTTと住友商事、双日(当時は日商岩井)がNTTベトナムを設立し、1997年にベトナム郵電公社(現在はVNPT(Vietnam Posts and Telecommunications Group))とBCCを締結。同国のインフラ整備に貢献している。しかし今後は30%を上限に投資のみ行うこともできるようになるかもしれない。

ベトナムにおける携帯電話市場は急成長しており、2002年に普及率2.35%だったものが、2006年には22.41%、2008 年には86.85%にまで伸びている。市場シェアはVNPTの子会社である国有のVietnam Mobile Service(VMS)(ブランド名は「MobiFone」)が2008年時点では29.0%で2位。1位は34.9%のViettel Mobile(人民軍部が所有)、3位で28.3%のVinaphoneとともに市場を牽引している。

ロシア第2位(加入者数ベース)の携帯通信事業者、ヴィンペルコム(VimpelCom)は、自国と同じサービスブランド "Beeline" でGSMを展開するジョイントベンチャーに40%出資している。韓国のSK Telecomは今年4月、シェア4位で6.5%のCDMAオペレータ、S-FoneをSaigon Postel 社に譲渡したとのこと。今後の規制緩和で、さらに多くの外資が参入することは確実と思われる。

【参照情報】
Vietnam to allow foreign investment in telcos -Telecom Asia
Foreign investors limited to 30 percent share in local telecom firms -VietNamNet
Vietnam Ict Whitebook
ベトナムと、その電気通信の発展(KDDI研究所)
世界情報通信事情(総務省)

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