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香港ハッチソン・ワンポア、英O2買収に向けた交渉が大詰めに - 買収額は150億ドルにも

2015.01.26

Updated by WirelessWire News編集部 on January 26, 2015, 12:01 pm JST

香港のハッチソン・ワンポア(Hutchison Whampoa:以下、ハッチソン)が、英携帯通信市場第2位のO2買収に向け、O2の親会社であるテレフォニカ(Telefonica)と進めている交渉が大詰めを迎えていると、ReutersやBloombergなどの媒体が現地時間23日に報じた。

ハッチソンは英国時間23日に、O2に関するテレフォニカとの買収交渉が大詰めの段階にさしかかっていることを明らかにしたほか、買収額については最大で100億2500万ポンド(約150億ドル)に達する見込みであることも明かしたという。李嘉誠(Li Ka-shing)氏率いるハッチソン・ワンポアは英国市場第4位の携帯通信事業者スリー(Three)の親会社で、交渉中のO2買収が実現した場合、スリーとあわせて加入者数で英国最大の携帯通信事業者となるという。

英国の通信市場では、CATVを含む固定線市場と携帯通信市場との垣根をまたぐ格好で、業界の再編が進んでいる。たとえば、固定線ブロードバンド最大手のブリティッシュ・テレコム(British Telecommunications:BT)が携帯通信最大手のEEを買収すべく、EEの親会社であるドイツテレコム(Deutsche Telekom)および仏オランジェ(Orange)と交渉を進めているとする話も報じられていた。また、英携帯通信市場3位のボーダフォン(Vodafone)についても、欧州でケーブルテレビ事業などを展開する米リバティ・グローバル(Liberty Global:以下、リバティ)の買収を検討しているとする話も出ていた。いっぽう、Reutersは今回、衛生テレビ放送のスカイ(Sky)とボーダフォンとの提携の可能性も挙げている。

ハッチソンは現在、英国、アイルランド、イタリア、オーストリア、スウェーデン、デンマークなどで通信事業を展開。このうち、オーストリアの事業は2012年にオランジェから17億ドルで買収したもの。またアイルランドのO2も2013年にテレフォニカから約10億ドルで買収していたものだという。

テレフォニカではO2売却で得た資金を、推定350億ユーロほどある債務の圧縮や、ブラジルなどでの企業買収に振り向ける可能性が高いという。

なおこの買収が進められる場合、英規制当局のオフコム(Ofcom)や欧州委員会(European Commision)による精査も予想され、O2やスリーが保有する一部の周波数帯を他社に譲渡することなど、何らかの条件が課される可能性もあるという。また、Bloombergでは、この買収の完了時期について2016年半ばになると予想するアナリストの声も紹介されている。

【参照情報】
Hutchison to buy Telefonica UK unit for $15.4 billion - Reuters
Billionaire Li Ka-Shing's Hutchison Is in Talks to Buy UK's O2 for as Much as $15 Billion -
Li Ka-shing's Hutchison Whampoa in Talks for British Mobile Firm O2 - NYTimes

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