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iPhone 4の対面ビデオ通話対応で話題になったfringが、Skypeと仲たがい

2010.07.13

Updated by WirelessWire News編集部 on July 13, 2010, 12:00 pm JST

Fringウェブサイト
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fringのサイトにはMSNメッセンジャー、GoogleTalk、 Facebook、Twitterなどお馴染みのロゴが並んでいる。ロゴの列のいちばん左側には「S」をかたどった Skypeのロゴがあるが、7月13日現在、その上から赤丸と斜線が重ねられており、下に大きく「BANNED!(「禁止された」の意)」と赤い文字が記されている。

fringは元ICQのAvi Shechter氏らが2006年に設立したイスラエルのfringland Ltd.社が提供するメッセージングサービスとアプリケーションの名称。モバイルVoIPと、異なるIMサービス間でのメッセージングができる。クライアントは、iPhone、Androidをはじめ、その他スマートフォンプラットフォームにも対応している。

同社は7月12日、Skypeとの相互接続を停止すると発表した。そのため、fringのユーザーは、Skypeユーザーとのインスタントメッセンジャーでのチャットはもちろん、Skype を利用したiPhone上でのビデオチャット機能も使えなくなった。

FaceTimeによる対面ビデオ通話機能はiPhone 4の目玉の一つだが、Wi-Fi接続で、しかもPhone 4の利用者相互での通話に限られている。しかし、fringを使えばiPhoneを使って、3G接続も併用した上で、Android端末や、他のプラットフォーム上のSkypeまたはfringのユーザとのビデオ通話ができていた。

fringのブログによると、事の発端はSkypeからfringが法的なアクションを起こすと脅されたため、相互接続の停止を余儀なくされたとのこと。また、Skypeがfringをブロックしたとも書かれている。

もう一方の当事者であるSkype側は、ブログで「ブロックはしていない」と反論している。また、fring側がSkypeの API利用規約やエンドユーザライセンス契約に違反し、7月9日に予告なくiOS4上のSkypeを使ったビデオ通話サポートを突然中止するなど、Skypeのブランドを傷つけ、Skype利用者に迷惑を掛ける行動を取っていたと糾弾している。

どうやら真相はこうらしい。fringは、iPhone4のお陰で急増したトラフィックに対応するため設備増強を図っていた。しかしこれが間に合わないために、まずはfringユーザ相互の通話を優先し、Skypeとの相互接続を一時的に切った。ところがSkype側は、これを規約違反とみなしたということのようだ。

設備増強により再び相互接続が可能になれば、この問題は解決するのか、あるいは利用者にとっては不毛な泥仕合に発展するのか、現段階では不透明だ。いずれにせよ、今回の紛争で、fringユーザはSkypeユーザの顔を見て通話することができなくなってしまっている。

【参照情報】
fring for iPhoneが対面ビデオ通話に対応、3G接続でも使えます - engadget日本版
Fring's mis-use of Skype software was damaging to our brand and reputation

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