テレフォニカO2、スロバキアでLTEのテスト実施
2010.09.01
Updated by WirelessWire News編集部 on September 1, 2010, 12:30 pm JST
2010.09.01
Updated by WirelessWire News編集部 on September 1, 2010, 12:30 pm JST
スペインのテレフォニカ(Telefonica)の東欧スロバキア共和国でのオペレーションはO2ブランドだが、同社は8月31日、LTEのテストを完了した。場所はスロバキアのバンスカー・ビストリツァ(Banska Bystrica)(2009年末の人口約79,000人)で、利用周波数帯は2.66GHz。コアは首都プラハに置き、バンスカー・ビストリツァには基地局2基を設置。FTPでダウンロード平均75Mbps、UDPでは90Mbps、ping応答の平均は24ミリ秒が計測された。基地局設備はノキア シーメンス ネットワークス(Nokia Siemens Networks)製、端末はLG電子とサムスン電子の韓国製が使用されたとのこと。
スロバキアにおけるモバイル市場ではOrange(仏France Telecom系)とT-Mobile(独Deutsche Telekom系)が二大勢力だったが、2009年にO2が新規参入し、モバイルの音声とデータの料金が劇的に下がり始め、加入者数も増加しているという。同国で最初にモバイル・ブロードバンド・サービスを始めたのはOrange。2009年1月の開始で、こちらもバンスカー・ビストリツァからのスタートだった。IPWirelessのTD-CDMA技術(3GPP)を使って、周波数は870MHz帯を利用している。
テレフォニカ本体は、これまで各国でアグレッシブな買収を続けてきたため、グローバルのユーザ数は2億7800万人に達したそうだ。CEOのJulio Linares氏は、8月31日(現地時間)にスペインでジャーナリストらに対して今後は買収などによらない自然な成長を目指すと語ったと報じられている。
併せて同氏はGoogleのように膨大なトラフィックを通信キャリアに「強いている」事業者に対し、従来とは違ったネットワーク使用料のチャージについて検討していることも明らかにした。収支が悪化し、このままでは破綻という「誰もが望まないことが起こる」可能性があるという。フランスのOrangeもすでに同様の検討に入っていると伝えられている。
さらに、テレフォニカは今後、電子ヘルスケア(eヘルス)、セキュリティ・サービスやファイナンシャル・サービス、クラウド・コンピューティング、M2M(マシン・トゥ・マシン)など、同社にとって新しいビジネス領域に注力していくことも同会見で明らかにされた。テレフォニカは去年12月、アメリカのIPテレフォニー会社Jajahを1億4000万ユーロ(1ユーロ=106.44円換算では約149億円)で買収、また、先月は自国スペインのソーシャルネットワーキングのサイトTuentiを7000万ユーロ(約72億5080万円)で買収するなど、従来型の電気通信事業者からの脱却を着実に進めているようだ。
【参照情報】
・Slovaki O2
・O2 testuje v Banskej Bystrici super rýchlu technológiu LTE (プレスリリース)
・O2 tested in Banska Bystrica super fast technology LTE (プレスリリース ※Googleによる翻訳)
・Telefonica O2 tests LTE in Slovakia (Lte World)
・スロバキア (Wikipedia)
・Banska Bystrica (Wikipedia)
・Slovakia Broadband Overview (Point Topic)
・Orange Brings Mobile Broadband Internet to Villages (IPWireless)
・Telefonica to focus on organic growth after buys (Reuters)
・Telefonica mulls charging big network users extra (Reuters)
・Telefonica To Launch New Business Area; Focus On Data, Video (WSJ.com)
・中南米編(2)国際キャリア・テレフォニカの中南米戦略
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