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レノボ、グーグルからモトローラを買収へ ー 端末事業を29億1000万ドルで

2014.01.30

Updated by WirelessWire News編集部 on January 30, 2014, 08:47 am JST

グーグル(Google)が、同社傘下のモトローラ・モビリティ(Motorola Mobility:以下、モトローラ)を中国のレノボ(Lenovo)に29億1000万ドルで売却することが米国時間29日に明らかになった。

両社の計画では、モトローラが保有する特許の大半はグーグルが引き続き保有する。このため事業売却額は総額29億1000万ドルで、レノボはまず14億1000万ドルを現金と同社株式で支払い、残り15億ドルは今後3年間に返済するとの契約内容だという。

グーグルは2012年8月に、旧モトローラから携帯端末ならびにケーブルテレビ用STB事業を125億ドルで取得する計画を発表、その際にはモトローラが保有していた約1万7000件の技術特許取得が主な目的などと説明していた。また同社はその後STB事業を約20億ドルで売却したものの、携帯端末事業については上級幹部のデニス・ウッドサイド(Dennis Woodside)氏をCEOとして送り込み、経営の立て直しを進めてきていた。

モトローラはグーグル傘下で、Androidスマートフォン「Moto X」「Moto G」のような意欲的な新製品を開発・投入してきたが、市場シェアの低下は止まらず、経営的に苦戦が続いていた。WSJでは、モトローラ製スマートフォンの世界シェアが1.7%まで低下したとするStrategy Analyticsのデータが紹介され、またモトローラの赤字額は買収完了後から昨年第3四半期までの間にあわせて約20億ドルに達していたとしている。

レノボは、PC出荷台数でHPと首位争いを続ける一方で、中国市場などを中心にモバイル端末の販売にも力を入れてきている。その結果、昨年のスマートフォン出荷台数は4550万台(世界シェア4.1%:IDCのデータ)に達し、メーカー別でも5位につけるまでに事業が成長している。また同社は以前から、この分野で米国などの先進国市場に本格参入したい考えも明らかにしている。ベライゾン・ワイアレス(Verizon Wireless)を中心に米大手通信事業者と長年の協力関係があるモトローラを手に入れることで、レノボは米国市場での展開を加速できる可能性がある。

レノボは2005年にIBMのPC事業を買収。また先日には、IBMのx86サーバ事業を買収(買収金額約23億ドル)する計画も発表しており、モトローラの獲得はこれらに続く大型買収となる。

【参照情報】
Google to sell Motorola to Lenovo, say reports - The Verge
Google Seen Selling Its Mobility Unit to Lenovo for About $3 Billion - NYTimes
Lenovo to buy Motorola business for $2 billion - China Daily
Lenovo nears $3 billion deal to buy Google's Motorola unit - Reuters
Lenovo to Buy Google's Motorola Unit for $2.91 Billion - Bloomberg
Lenovo to Buy Google's Handset Business - WSJ

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