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RIM、スマートフォン端末にもQNX製OS採用を採用か

2010.09.30

Updated by WirelessWire News編集部 on September 30, 2010, 11:45 am JST

先頃新たにタブレット端末「BlackBerry Playbook」を発表したカナダのリサーチ・イン・モーション(Research In Motion : 以下、RIM)が、同端末で初めて採用したQNX社製のOSを、今後同社のスマートフォン「BlackBerry」にも採用していくのではないかとの可能性が浮上してきている。

QNX
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複数の媒体が伝えるところによれば、RIMのある幹部がサンフランシスコで開かれた同社の「DevCon」カンファレンスで、将来的にはQNX社製OSがスマートフォンのBlackBerryでもベースとなると認めたという。また、同社のアラン・ブレナー氏(Alan Brenner - BlackBerry Platform担当シニアVP)は、Bloombergに対して「QNX OSへの移行を選択肢から外す理由はない」と述べ、同社上層部もOSの切替に理解を示しているとコメントしている。

RIMが歴代のスマートフォンに採用してきたBlackBerry OSは、最新版でも一部にレガシーな部分が残り、それが新機能追加の際に足かせとなっている面がある。この制約も手伝って、BlackBerry端末の相対的な魅力が低下した結果、RIMは世界のスマートフォン市場でシェアを落としている。今年第二四半期のRIMのシェアは18.2%で、前年同期の19%から減少した一方、アップルのiPhoneは13%から14.2%、またグーグルのAndroidを採用した各社の端末は1.8%から17.2%へとそれぞれシェアを伸ばしている(調査会社IDC調べ)。

RIMは今年4月にQXN社を2億ドルで買収していたが、同社のソフトウェアはポルシェなどの車載エンターテインメントシステムで使われているほか、原子力発電所の制御システムや米軍の無人戦車にも利用されていることから、他社の携帯端末用OSに比べて信頼が高いとされている。

また、サードバーティのアプリ開発者への訴求力の面でも、QNX OSのほうがAndroid用に開発されたアプリを移植しやすいという利点がある。RIMが現在提供している「App World」プラットフォームは、対応アプリの数が約2000種類と、競合するiOS(約25万種類)やAndroid(約8万種類)に大きく水をあけられている。RIMでは、Androidアプリからの移植が容易なQNX OSに切り替えることで、同社のプラットフォームに対応するアプリの品揃えを拡充し、ユーザーに対してBlackBerryの魅力を高めたいとの思惑があるようだ。

ただし、RIM共同CEOのジム・バルシリー(Jim Balsillie)氏は「対応アプリの数だけで、スマートフォンやタブレットの成功が決まるわけではない。PCウェブにアクセスできないモバイル端末のユーザーがしかたなくアプリを利用している」と述べ、同社端末をウェブとの親和性の高いものにしていくことで、他社製品との差別化を図る考えを示している。

【参照情報】
RIM Considers Using Its Tablet Operating System in BlackBerrys - Bloomberg
Rumor Mill: Is RIM trading BlackBerry OS for QNX? - Fierce Wireless
RIM Fuzzy On BlackBerry 6 And QNX Transition - InformationWeek

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