ノキア、第3四半期決算 - 大幅な業績回復とリストラ策を発表
2010.10.22
Updated by WirelessWire News編集部 on October 22, 2010, 13:29 pm JST
2010.10.22
Updated by WirelessWire News編集部 on October 22, 2010, 13:29 pm JST
フィンランドの携帯電話機メーカー、ノキアが現地時間21日、第3四半期決算を発表をした。また同社は全社員の2.8%にあたる1800人のリストラを行う計画も明らかにした。
同期の売上は102.7憶ユーロ(前年同期比4.7%増)で、利益は5億2900万ユーロ(7億4000万ドル)と、5億5900万ユーロの損失を出した前年同期から大幅に回復した。また携帯端末の出荷台数は1億1040万台で前年同期から2%増となり、端末の平均販売単価も65ユーロで1ユーロ上昇したが、市場シェアは30%に低下したという。
先月CEOに就任したステファン・エロップ(Stephen Elop)氏は、この日の発表のなかで、スマートフォン部門の能率向上をはかるため、全社の2.8%にあたる1800人のリストラを行うことを明らかにした。
ノキアの企業体質を「硬直化して、物事がなかなか進まない」と述べたエロップ氏は、今後のスマートフォン戦略について、あくまでも自社開発OSの採用を続けるとの方針を示し、グーグル(Google)の「Android」を採用した競合のソニー・エリクソン(Sony Ericson)やモトローラ(Motorola)とは一線を画す姿勢を強調。同社はSymbian OSの新バージョンを搭載する「N8」などの最新機種を9月に発表しており、またもうひとつの「MeeGo」OSを採用する端末についても2011年に投入予定だという。
ノキアは端末出荷台数で世界最大手の携帯電話メーカーだが、最近ではアップル(Apple)の「iPhone」や各社のAndroid搭載端末に対抗し得るヒット製品がなく、成長著しいスマートフォン市場で苦戦を強いられている。21日に発表されたStrategy Analyticsの調査結果によると、第3四半期における全世界のスマートフォン出荷台数は7700万台で前年同期から78%増加したものの、ノキアのシェアは37.8%から34.4%へ減少したとWall Street Journalは指摘している。
スマートフォン市場での出遅れなどが響き、このところノキアの株価は低迷を続け、第3四半期の利益率が7パーセントまで落ちる可能性があると発表された7月には、12年間で最低の株価を記録した。
こうした流れを受けて、同社は9月にマイクロソフト出身のエロップ氏をCEOとして迎え入れ、さらにスマートフォン部門トップの交代を発表するなど、経営陣の刷新をはかっていた。同社は今後、ソフトウェア部門のビジネス経験があるエロップ氏のもとで、アプリケーションの比重が高まるユーザーのニーズに応え、苦戦する北米市場での巻き返しをねらっていく。
なおこの日の決算発表では、ノキアと独シーメンスとが共同で出資する通信機器メーカー、ノキア シーメンス ネットワークス(Nokia Siemens Networks)の業績も発表された。それによると、同社の第3四半期の売上は、前年同期比7%増の29億ユーロとなったものの、粗利益が減少したため2億8200万ユーロの営業損失を計上した。
【参照情報】
・Nokia Swings to Profit, Plans to Cut 1,800 Jobs - Wall Street Journal
・Nokia to Cut Jobs as It Tries to Catch Up to Rivals - New York Times
・Nokia chief pledges to streamline - Financial Times
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