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[先週の動き]成果を刈取るソフトバンク、次の施策を練るドコモ、KDDI

2010.11.15

Updated by WirelessWire News編集部 on November 15, 2010, 10:00 am JST

先週は、月曜日早々にあったNTTドコモの怒涛の発表の渦に飲み込まれそうな勢いで始まった。しかし、それだけで終わる1週間ではなかった。ワイヤレス関連の動きをまとめて見てみよう。

純増契約数はまたもソフトバンクの圧勝

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NTTドコモの発表があったのと同じ11月8日、10月末の各社の携帯電話の契約数が電気通信事業者協会(TCA)から公表された(関連記事:10月の純増はソフトバンクが65%を占拠、イー・モバイルが2位に浮上)。結果からいうと、10月もソフトバンクモバイルの圧勝。10月の携帯電話における純増シェアは、64.7%にも上った。ソフトバンクモバイルの純増数は32万4200。2位につけたイー・モバイルは約5分の1の6万800の純増なので、ソフトバンクモバイルの圧倒ぶりがよく分かる。KDDIは5万8400で3位、NTTドコモは5万7700と、さらに低調な数字が並んだ。

ソフトバンクモバイルの好調は、引き続きiPhoneの販売によるところが大きい。スマートフォン市場をiPhoneで開拓してきた先駆者は、ここにきて安定して多くのユーザー毎月取り込むことに成功しているというわけだ。一方、自らスマートフォン展開で出遅れがあったと認めているKDDIはもとより、Android端末を他社に先駆けて投入してきたNTTドコモも、冬・春モデルの新作スマートフォンを待つユーザーの買い控えの影響で伸び悩みとなった形だ。GALAXY Sの販売の好調が伝えられるNTTドコモや、Android auのメッセージを掲げて期待が高まるKDDIがこれからどのような数字を残せるか。この冬、ようやくスマートフォン同士の戦いが始まる。

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NTTドコモはスマートフォン4機種を含む28機種を発表

201011151000-2.jpgそのNTTドコモは2010年11月8日、冬・春モデルの新製品28機種を発表した。スマートフォンの4機種の新製品に加え、従来型のiモード端末もバリエーションを拡大した(関連記事:NTTドコモ、スマートフォン4機種を含む全28機種を発表)。

4機種のスマートフォンのうちの2機種は、おサイフケータイやワンセグなどの国内ユーザー向けの機能を搭載したもの。3D液晶を搭載した「LYNX 3D SH-03C」と防水の「REGZA Phone T-01C」だ。いずれもAndroid 2.1を採用する。一方、エントリーユーザー向けのAndroid端末をうたう「Optimus chat L-04C」は、Android 2.2を採用するものの、おサイフケータイなどの機能はない。残るもう1つがlackBerry端末の「BlackBerry Curve 9300」だ。さらに、未発表のタブレット型端末1機種と、発表済のGALAXY Sおよび同Tabを含めると、この冬のスマートフォンが7機種になるという計算である。このうちGALAXY Tabは、11月15日に事前予約を受け付けを開始した(関連記事:NTTドコモ、GALAXY Tabを11月15日から予約受付)。

発表会でNTTドコモの山田隆持社長は、「ドコモにはiモード機で蓄積した公式サイトやコンテンツがたくさんある。これらを、スマートフォンに移して簡単に利用できる仕組みを考えていきたい。iモードで人気のあったコンテンツをスマートフォンでも使ってもらえるような循環を創りたい」と説明した。スマートフォンはフィーチャーフォンと別物と考えるのではなく、iモード機の延長線上にスマートフォンを載せてしまい、自らが強い土俵で戦おうとする戦略だ(関連記事:スマートフォンに一層力を入れる--4機種を追加したドコモの戦略)。

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さらに同日、2010年12月から提供するとアナウンスしていたLTEサービス「Xi」(クロッシィ)の詳細も発表した(関連記事:NTTドコモのLTEサービス「Xi」は月間5GBまでの準定額、超過分は2GBごと加算)。サービス開始は2010年12月24日。料金は2年契約プランで5GBまで6510円、超過分は2GBごとに2625円となる準定額を採用した。併せてXi向けのデータ通信端末を2機種提供することも発表した。当初は、2年契約の上限額が4935円に引き下げられるキャンペーンも実施する。

翌日には、法人向けの接続サービスにXi対応のプランなどを追加する発表も行っている(関連記事:法人向けのビジネスmoperaシリーズに、「Xi」対応のサービスを提供)。1つは、閉域直収接続サービス「ビジネスmoperaアクセスプレミアム」に、Xi対応のサービスの「Xiタイプ」を提供すること。もう1つは、リモートアクセスサービス「ビジネスmoperaアクセスプロ」に、Xi対応の接続メニューを追加することである。Xiを、サービス開始からすぐに個人だけでなく法人にも使ってもらえる環境を整えた形だ。

このほかNTTドコモは、携帯電話ユーザーを情報に誘導する経路として新しい方式を提供することも発表している。おサイフケータイでICタグに書き込まれた情報を読み取れるようにするアプリケーション「ICタグリーダー」がそれだ(関連記事:NTTドコモ、おサイフケータイでICタグを読み取れるアプリを提供)。利用者はアプリを起動した携帯電話をポスターなどに貼り付けられたICタグにかざすだけで情報を読み取れる。QRコードやトルカとは異なるユーザーの誘導ソリューションとして展開を進める。

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KDDI、スマートフォンの展開と各種プラットフォーム戦略を進展

一方のKDDIは、NTTドコモの新製品発表会と同じ11月8日に、4つの発表をまとめて行った。1つ目はスマートフォン向けの新パケット定額プラン「ISフラット」、2つ目は購入金額の一部を毎月の利用料から割り引く「毎月割」、3つ目はパケット定額プランの上限額の改定、4つ目は「Skype au」の正式サービス発表--である(関連記事:KDDI、スマートフォン向けパケット定額プランやSkype auの提供などを一気に発表)。

ISフラットは、スマートフォン向けのパケット定額プラン。月額のパケット料金の上限が5460円で、スマートフォンからパケット通信を使い放題にできる。毎月割は、スマートフォンを購入したユーザーに対して、機器代金の一部を最大24カ月にわたって毎月割り引くもの。パケット料金の上昇を抑えて、機器代金の補填もすることで、出遅れたスマートフォンへの移行を促す施策だ。

Skype auのサービス提供は11月下旬以降に予定しているIS03の発売日に開始する(関連記事:KDDI、Skype auのサービス概要と料金体系を発表)。月額利用料は無料、Skypeユーザー同士の通話も無料になる。このほか海外の固定電話・携帯電話向けの通話は、事前にSkype社が提供する「Skypeクレジット」を購入し、所定の料金を支払う。国内の携帯電話・固定電話への発着信は、au携帯電話からの発信となり、Skypeは利用できないとのことだ。

201011151000-4.jpgまた、各種のサービスのインフラとなるプラットフォーム戦略でも進展があった、1つは音声メッセージの配信プラットフォーム「コエなう」を商用版としてサービス提供を開始したこと(関連記事:KDDI、音声メッセージの「コエなう」の商用版を提供開始)。コエなうは、9月22日からベータ版としてサービスを提供していた。今回、音声を録音したときにTwitterに「音声メッセージを録音した」ことをツイートする機能や、音声メッセージをファイルでアップロードする機能を追加して商用版の提供を開始した。

201011151000-5.jpgもう1つは、KDDIとコロプラが携帯電話向けに位置情報を使ったゲームを提供する専用プラットフォームを共同で構築すると発表したこと(関連記事:「位置ゲー」のプラットフォーム提供で、KDDIとコロプラが提携)。プラットフォーム名称は「au one コロプラ +」(au one コロプラプラス)で、 11月11日から提供を開始した。コンテンツプロバイダーに向けてはプラットフォームを提供、au携帯電話のユーザーにはプラットフォーム上で稼働する位置情報を使ったゲームを提供する。

主語が違うものの、KDDIに関連する発表もあった。NECが、KDDIのLTEフィールド実験に参加するという発表である(関連記事:NEC、KDDIのLTEフィールド実験に参加)。KDDIが2010年10月から行っている首都圏内でのLTEの実証実験にNECが参加して、商用サービスに近い都市部の環境で、ハンドオーバーやスループットの検証を行うというもの。人口が集中している首都圏で商用サービスと同じ1.5GHz帯で実施し、2012年のサービス開始につなげたい意向だ。

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OperaのAndroid向け新版、法人向けデータ通信サービスなども登場

201011151000-6.jpg国内の大手携帯電話事業者以外の発表でもチェックしておきたい動きがあった。ノルウェーのオペラソフトウエアは、Android端末で利用できるOpera Mobile 10.1のベータ版を提供したと発表した(関連記事:Opera Mobile 10.1、Android向けベータ版を提供)。Android向けのベータ版では、Opera Prestレンダリングエンジンの搭載などにより、データのダウンロードを高速化するとともに、スムーズなページのズームやスクロールを実現している。

法人向けのデータ通信サービスに新顔が登場した。ヴェクタントが提供する「VECTANTブロードバンドアクセスWiMAX Hybrid」がそれだ(関連記事:ヴェクタント、WiMAXとCDMAに対応の法人向け定額接続サービスを開始)。1つの端末でモバイルWiMAXとKDDI CDMAのデータ通信が可能になるサービスで、WiMAXのサービスエリアでは最大40MbpsのモバイルWiMAXを、WiMAXエリア外ではCDMAを使った通信を自動的に切り替えて行う。利用料金は初期費用1万2500円、月額費用は1年プランが5200円、2年プランが4200円の定額制となる。同社は、インターネットを介さずセキュアにイントラにアクセスできる定額制のモバイル閉域接続サービス「VECTANT セキュアモバイルアクセスWiMAX Hybrid」の提供も開始した。

また、インターネットイニシアティブ(IIJ)は、MVNOを支援するMVNE事業を強化し、帯域で提供する接続プランなど用意することを発表している(関連記事:IIJ、MVNOを支援するMVNE事業を展開)。自社で設備を持たずに自由な発想でサービスが提供できるMVNOは、こうしたMVNEの積極展開によってさらに増える可能性がある。

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