(株)MM総研[東京・港]は2010年10月26日に2010年度上期(4月〜9月)の国内携帯電話出荷状況を調査し、結果を発表した。総出荷台数は前年同期比12.3%増の1,913万台だった。2000年度以降の上期出荷台数が過去最低だった2009年上期の1,704万台から大幅に増加し、2008年度並みに回復した。
出荷台数が回復した主要因は、スマートフォン市場の拡大と、au市場の買い替えが好調である2点だとMM総研では分析している。2010年度上期のスマートフォン出荷台数は前年同期の106万台から2倍以上の223万台となり、上期出荷台数の11.7%を占めた。また、au市場では2012年7月の周波数再編に向けたトライバンド端末(新800MHz帯対応)への買い替えを促進していることが台数増加に大きく貢献したと分析している。
2010年度下期もスマートフォン市場の更なる拡大や、au市場の買い替え促進など上期と同様の傾向が継続すると予測している。特に、今後は「おサイフケータイ」「ワンセグ」「赤外線通信」といった機能がスマートフォンに搭載されることで、同市場の普及が加速するだろう。2011年度以降はLTE対応端末の投入も予定されており、ネットワーク高速化に伴う新たなサービス可能性の広がりもスマートフォン市場拡大に寄与するだろう。
MM総研では2010年度通期の出荷台数を前年比8.3%増の3,730万台、うちスマートフォンは440万台(前年比88.0%増)と予測している。その後は2011年度に3,760万台、2012年度に3,820万台、2013年度に3,740万台となり、3,700万台以上で推移すると予測している。
▼図1 日本の携帯電話の出荷台数推移・予測(2006年度〜2013年度)
===
2010年度上期のメーカー別出荷台数シェアは、シャープが2006年度上期以降の半期別シェアで9期連続の1位。出荷台数は435万台(前年同期比3.3%増)でシェアは22.7%(前年同期比2.0ポイント減)となった。2位は富士通で285万台(4.4%増)、シェアは14.9%(1.1ポイント減)で2009年度の4位から2つ順位を上げた。3位はパナソニック モバイルコミュニケーションズで、シェアは13.6%(3.2ポイント減)。4位はNECカシオモバイルコミュニケーションズで、シェアは12.1%(4.0ポイント減)。5位は京セラで、シェアは11.4%(7.5ポイント増)となり、台数・シェアともに躍進した。6位にはソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ(シェア7.4%)が続いた。
スマートフォン市場のメーカー別台数シェアは1位がアップル、2位がソニー・エリクソン、3位がシャープの順となった。
▼図2 日本のメーカー別携帯電話出荷台数シェア(2010年度上期)
【情報ソース】
2010年10月26日のMM総研のニュースリリース
・2010年度上期国内携帯電話端末出荷概況
おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)
登録はこちら