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[先週の動き]再び起こせるかウィルコム旋風、HTC AriaやGALAPAGOSが販売へ

2010.12.06

Updated by WirelessWire News編集部 on December 6, 2010, 10:00 am JST

師走早々に初頭の嵐に見舞われた日本列島に、もう1つ久しぶりの嵐が吹いた。再建の道を探っていたウィルコムが、再建計画の認可決定を機に攻勢に出たのだ。このほか、イー・モバイルは新スマートフォン「HTC Aria」の、シャープは電子書籍リーダー「GALAPAGOS」の、発売日をそれぞれアナウンスした。先週のトピックをまとめてみよう。

誰にでも無料で通話できる新プランで再起目指す

201012061000-1.jpgウィルコムは2010年11月30日、東京地方裁判所に提出していた同社の更生計画が認可決定されたと発表した。ソフトバンクグループ傘下での更生を目指した更生計画案への書面投票の結果、可決に必要な法定多数を上回る債権者から賛同を得て、11月30日に更生計画の認可決定にいたったという(関連記事:ウィルコムの更生計画が認可)。

その翌日の12月1日、経営再建計画の認可決定を受けてウィルコムは記者説明会を開催した。代表取締役社長に就任した宮内謙氏は「ユーザーの方々にも債権者のみなさんにもご迷惑をおかけした。12月1日から、新生ウィルコムとして本格的な動きをはじめたい」と切り出した。ウィルコムはソフトバンクグループの4社めの通信会社として、再出発することになった。目標は、純減が続いている契約数を、少なくとも3カ月以内に純増に持ち込むことだ(関連記事:「3カ月以内に純増へ」--常識破りの"通話無料"で再起を誓うウィルコム)。

そのための切り札になるのが同日発表し12月3日から提供を始めた「だれとでも定額」である(関連記事:ウィルコム、ケータイでも固定電話でも無料通話ができる「だれとでも定額」)。携帯電話や一般加入電話などへの通話も無料になる新オプションで、料金は月額980円。無料になる通話は1回につき10分以内。また月間500回までが無料の対象となる。

201012061000-2.jpgさらに、フルーツのみずみずしさを表現したHONEY BEEシリーズの新作「HONEY BEE 4」(WX350K)も発表し、12月3日に発売した。また、12月1日に開催した記者説明会の会場には、今後の発売を検討している新端末やコンセプトモデルも多数展示があった(関連記事:ウィルコム、新作「HONEY BEE 4」を発売、3G対応のW-SIMなども参考出品)。

沈黙を破り、攻勢に出るウィルコム。定額データ通信サービスや、ウィルコム同士の定額通話で顧客を獲得した歴史に、三度目の「定額」で復活の文字を刻めるか。まさに背水の陣での戦いの行方に注目したい。

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年末商戦に向けて、新スマートフォンや電子書籍リーダーを投入

201012061000-3.jpg新端末の市場投入のニュースもあった。イー・モバイルは、Android 2.2をOSに搭載したスマートフォン「HTC Aria」」(S31HT)を12月17日に発売する。HTC Aria専用の料金プラン「スマートプラン」「スマートプランライト」も提供する(関連記事:イー・モバイル、テザリングも可能な「HTC Aria」を12月17日発売)。HTC Ariaは台湾HTC製のスマートフォンで、OSにはAndroid 2.2を搭載する。端末をモバイルWi-Fiルーターとして使えるテザリング機能に対応。使い道が広がる小型スマートフォンだ。

シャープは、電子ブックストア「TSUTAYA GALAPAGOS」と専用端末であるメディアタブレット「GALAPAGOS」を12月10日に提供開始する(関連記事:シャープ、電子ブック「GALAPAGOS」のサービスと端末を12月10日から提供)。端末は提供に先駆けて、12月3日から販売受付を開始した。専用端末はモバイルモデル2色とホームモデルの2機種3モデルを用意。価格はモバイルモデルが3万9800円、ホームモデルが5万4800円である。

201012061000-4.jpg一味変わったところでは、日本通信のSIMフリー端末向けSIM製品の販売促進の動きがある。先週だけでも3件のSIM製品に関する発表を行っている(関連記事:日本通信のSIM製品シフトが加速、販売網網整備などを進展)。まずSIMフリー版のiPad向けマイクロSIM製品の発売をアナウンス。次にSIMフリー端末と日本通信のSIMをセットにして販売する販売網に、直販サイトの「ソフィアダイレクト」でSIMフリー端末を販売するソフィアモバイルを追加。さらに、台湾Camangi(カマンジ)の代理店であるオフィスサンサーラと提携し、AndroidをOSに採用したタブレット端末「Camangi FM600」と日本通信のSIMをセットにして販売する。SIMフリー時代の先鋒として、積極的な動きが目に付く。

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ソフトバンク「ケータイWi-Fi」の無料キャンペーンを延長、ソラテナはサービス開始

このほかのニュースやトピックスも確認しておこう。

201012061000-5.jpgソフトバンクモバイルは、公衆無線LANサービスの「ソフトバンクWi-Fiスポット」または「ケータイWi-Fi」の月額使用料無料キャンペーンを2011年3月末まで延長する(関連記事:ソフトバンクのWi-Fiサービス、月額使用料の無料キャンペーンを3月末まで延長)。月額490円の料金が設定されているが、月額使用料が無料になるキャンペーンを実施していた。今回の延長措置により、2011年3月までに申し込んだユーザーはこれまでと同様に、将来にわたって月額使用料がかからないことになる。

UQコミュニケーションズは、日立製作所製の超小型WiMAXの運用を開始した。鉄道沿線や高速道路、公共施設などの特定スポットや、サービスエリア内でありながら遮へい物などがあるために電波が届きにくい"ホワイトスポット"などへの対応が可能になる(関連記事:UQ、超小型WiMAX基地局で特定スポットのエリア化を進展)。

201012061000-6.jpgウェザーニューズとKDDIは、気象情報とコミュニケーションを融合した新感覚のサービス「ソラテナ」のトライアルサービスを11月29日に開始した。au携帯電話およびauスマートフォンを対象に提供する。トライアルでは、現在地周辺の「ソラテナ」を一覧表示するほか、各種の観測データをソラテナの体感情報として提供する(関連記事:気象情報を活用した「ソラテナ」のトライアルサービスがスタート)。

既存のサービスの軌道修正もあった。NTTドコモは、携帯電話を長期間利用しないユーザーに提供していた「利用休止」の手続きを2011年3月31日をもって終了すると発表した(関連記事:NTTドコモ、FOMAなどの「利用休止」の手続きを終了へ)。3G携帯電話サービスのFOMAと2G携帯電話サービスのmovaが対象となる。利用者の減少が理由とのこと。使わない期間には回線を休止するという利用者が減り、必要がなければ解約して必要なときに再契約するようになってきているようだ。

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