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Android搭載スマートフォンのベンチマークとなったGalaxy Sシリーズ

2011.02.14

Updated by Shigeyuki Kishida on February 14, 2011, 18:00 pm JST

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サムスンはMWC開催前日(2011年2月13日)の夜、プレス向け発表会「Samsung Unpacked」を開催した。

昨年は「スマートフォン大衆化時代」、自社OS「bada」、同OS搭載スマートフォン「Wave」、自社アプリケーションストアの世界展開について発表し、同時に多くの新機種の発表・展示もあり、サムスンの本気度を感じる発表内容であった。

果たして今年はどうだったかといえば、昨年に比べると正直、パンチ不足の印象が否めない。

しかし、スマートフォンへの移行が世界的なトレンドとなり、2010年はGalaxyシリーズで大成功を収めた「勝ち組」サムスンとしては、目新しい何かを狙うよりは着実な進歩を遂げていることの方が、他社から見てスキが無く映るかもしれない。

今年の「Samsung Unpacked」でのプレゼンテーションで発表されたのは、以下2機種であった。

「Galaxy S II」
「Galaxy Tab 10.1」

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「Galaxy S II」スマートフォンは、

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  • Super AMOLED PLUS搭載
  • 家電等との連携機能「all share」搭載(DLNA対応、Wi-Fi Direct対応)
  • カメラ性能の強化(アウトカメラ8メガピクセル、インカメラ2メガピクセル)
  • ソーシャル、音楽、ゲーム等の使い勝手の向上(「4 Samsung Hub」)
  • HSPA+対応
  • 法人ソリューション対応機能の強化(Adobe、Sybase、Ciscoとの提携等)

などが特長である。

第一印象で言うと、スマートフォンへの「全部載せ」である。

「Galaxy Tab 10.1」は

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  • 大型化、軽量化、薄型化、高機能化(10.1インチ、599g、10.9mm、Dual Core)
  • Android Honeycomb(3.0)搭載

などが特長である。

同じく第一印象で言うと、「Samsung製iPad」である。

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スペック面での評価はここでは置いておくとして、今回のSamsungが看板商品2機種をこのようにモデルチェンジしてきたことについて私が感じたことは、以下である。

(1)Galaxy Sシリーズが、世界のAndroid搭載スマートフォンのベンチマークとなる

これまでのスマートフォンは、みなiPhoneを目指して開発されてきたと言えるだろう。iPhoneに追い付け追い越せとばかりに、機能改善や追加を行ってきた。しかし、iPhoneの革新的な操作性とは裏腹に、「これが足りない」という点がいくつもあったことは確かである。

今回のGalaxy S IIが「全部載せ」だと考えれば、機能面で「これが足りない」は無い。
その意味で、他社は新機種検討にあたり、この端末をベンチマークとすることができる。何を足して何を引くか、どこが勝ってどこが敵わないのかを、この端末を基準に考えるようになるのではないか。

(2)SamsungがタブレットでAppleとの真っ向勝負を挑んできた

GalaxyTab 10.1の見た目そのまま、である。

(3)端末メーカーとして、アプリ・コンテンツ領域への取組みは必要なのか?

サムスンは昨年の「Samsung Unpacked」で発表した内容がすべてうまく進んだのかといえば、そうではない。あくまで印象としてだが、それらの成果を○×で書いてみると

  • 「スマートフォン大衆化時代」 → ○
  • 自社OS「bada」 → 世界的には×
  • bada搭載スマートフォン「Wave」 → 世界的には×
  • 自社アプリケーションストアの世界展開 → 展開は○、成果は×

1勝3敗である。それでも、Galaxyシリーズの成功が、他を打ち消して余りあるのである。結局、端末の魅力でヒット商品を出せば良い、ということかもしれない。

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岸田 重行(きしだ・しげゆき)

情報通信総合研究所上席主任研究員。1990年一橋大学卒業、NTT入社。1997年より現職。海外・国内のモバイル通信業界に関して、サービス動向から企業戦略まで広く調査研究を行っている。「通信事業者はどこへ行く」(「情報通信アウトルック2011」共著)「アプリケーション・ストア・ブームの衝撃」(「情報通信アウトルック2010」共著)「LTEの提供エリアはスムーズに広がるのか-世界におけるLTE普及への展望」(日経コミュニケーション2009年7月15日号)など、記事執筆・講演多数。